空白の日々に
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Re: 空白の日々に
小田
2026/06/07 (日) 10:19
No.209853
駅前の信号待ちの時に、携帯が鳴ります。
いずみからです。
『もしもし、いずみ・・・』
直ぐに気付いて、
『・・・平野さんですね?』
『いずみちゃんじゃなくて、ごめんなさい。少し早いのですが・・・』
『えぇ、お待ちしていました。どこで・・・』
『先程と同じでいいですか?』
『それなら、直ぐに行けます。平野さんは?』
『今来たところです』
『目の前の信号待ちですから、直ぐですね』
『それじゃ、渡らずに待ってもらえますか?』
この時間帯ですから、駅からこちらに渡って来る人は多くはありません。
駆け寄ってきて、
「お食事は?」
「まだですか?」
そう言って、直ぐに思い出します。
「・・・時間がなくて・・・」
「そうでしたね・・・僕は済ませましたが、お付き合いしますよ」
「おビールは?」
「たしなむ程度ですね」
「餃子は?」
「平野さんは餃子、僕はビールですか?」
「いいですか?」
当地では有名な餃子専門店が、この駅の南側に背中合わせに営業しています。
「この時間なら、そこのお店は終わってるわ」
振り返れば、見えるほどの距離なのです。
「じゃ、東側の?まだ営業中かな?」
「大丈夫よ、今なら空いてると思うわ。カウンターだけだから・・・私達で満席になるかも?」
「それはないでしょ?」
「冗談に聞こえますか?私達って私達だけじゃない私達かな?」
「理解できないね」
「行けば分かるでしょ?」
食事の時間帯は店の外に並ぶほどの人気ですが、平野さんが言うようにこの時間ですし、日曜日と
いうこともあって、空席があると言っているようです。
”私達で満席”は冗談としか思えないのですが、彼女に至っては真剣そのものです。
私も知らない店ではないのですが、カウンターだけで7〜8席の非常にシンプルな店だった記憶が
あります。