空白の日々に
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Re: 空白の日々に
小田
2026/06/06 (土) 20:35
No.209847
”愛想を尽かされる”・・・納得の一言です。
先程のいずみの対応は、そう言っているのかもしれません。
誰にも壊されない絆なんて何処を探してもないのかと、つくづく情けなくなってきます。
ただ、私の意思も彼女は理解している筈ですから、それを乗り越えられる程の快楽が得られたと
したら、現にそのように見られるのですから、私から離れる理由に悩むこともないのでしょう。
そうであっても、私達を遥かに超える絆、ひろ子の存在を忘れているとは到底思えないのです。
それに対して、どのような折り合いをつけるのか、対応策も含めて気になるところです。
今回の出来事は周到に用意され、実行されたことに疑いの余地はありません。
完璧な迄に成し得たと理解したからこそ、私にいずみの現状を見せたのだと思います。
ただ、その計画をあの男が推考したとは到底思えないのです。
いずみの助言、いや、主たる案は彼女の発案であったと推測できることの一つに、客を送り出す
時のフェラなど些細な提案ですが、それを自慢げに話すこと自体、いずみが大きく関与している
証拠でもあります。
アキさんの招聘も含めて、仕事関係にも事実誤認させるような芝居を打ったと推認できそうです。
『かもね?・・・まぁ、その時だよ』
『その時になって、吠え面かかされてもしらないわよ』
現にかかされそうだと言いそうになります。
『考えるかな?・・・じゃ、少し遅くなるから、夕食は食べて帰るよ』
『分かったわ。アキさんに伝えておくわね?』
『いずみに代わって・・・まぁ、いいか?宜しくと伝えてくれるかい?』
『了解です。あまり遅くならないでね?』
『了解、じゃ・・・』
先程の駅まで戻ります。
そこからは馴染みのデパート迄数分の距離です。
8時迄は2時間弱もありますから、久し振りに階上のレストラン街に足を運ぶことにします。
このデパートは親子三人で出掛ける事もしばしばですが、ひろ子と食事となるとファミレスが
その殆どです。
一人は何となく寂しいものですが、一年前のこの季節に、彼女と入ったレストランにします。
その時に何を食べたかも覚えていないのですが、一緒に食事をしたその事実も、明るく話す彼女も
その時の温もりも、今は冷めきった空気に支配され、味気ない食事と共に私の前から忽然と消え
去った感覚に陥ります。
何度も繰り返してきた事象から判断すれば、思いのほか悩む事もないようにも思えるのです。
ただ、あの男の自信に満ちた態度、彼にひれ伏す彼女、表面的には結論が出ている様に見えるの
ですが、内面迄は見通すことが出来ません。
見えるもの全てが事実とは限りませんから、そう見せるにはそれ相応の真実に裏打ちされていな
いと、簡単に見破られるものです。
私の目には、ほころびらしいモノも何も見付けられなかったことに、小さな焦りが徐々に大きく
なってきます。
兎に角、平野さんからの説明を待つしかありません。
食事を終えて、時間潰しに南に向かいます。
考えても始まりませんが、得体の知れない生き物が心の中で蠢いている不安な心理状態が、今の私
だと言えそうです。
彼女の異変に気付かなかった事は痛恨の極みですが、強い気持ちでそれを飲み込み、平野さんの
説明を受けた後、時間を置かずに対応策を考えると自分にいい聞かせます。
海まで出ずに途中で折り返して、先程のJRの駅方面に戻ります。
待つ時間ほど時間の経つのは、遅く感じられるものです。
腕時計は、アト20分程と知らせるのですが、それに反して、気持ちは早まるばかりです。