空白の日々に
14 Re: 空白の日々に
小田
2026/06/06 (土) 15:06
No.209844



『もしもし・・・』
『どこなの?今日は出掛けないと言っていたでしょ?』
『すまない・・・野暮用でね・・・ん?帰ってるのかい?』
『何も聞いていないの?』
『ん?・・・ナニかな?』
『ほんとに?・・・あれ?いずみちゃんって酷くない?』
『はははっ、意味不明だろ?』
『だって、かずちゃんに話してると思っていたんだもの』
『いずみが?』

まさか、先程の事を話すとは到底思えません。

『そうよ。いずみちゃんに頼まれてお迎えに行っていたの』
『ん?お義父さんが送ると聞いていたが、何かの行き違いかな?』
『それって、ひろ子ちゃんでしょ?』
『そうだが・・・違うのかい?』
『何かの手違いってもんじゃないわよ。ほんとに聞いていないのね?』
『恍けてる様に聞こえるかい?』
『それなら・・・どうしてなんだろ?いずみちゃんがかずちゃんに話さなかった理由が・・・
そうか!サプライズね、きっとそうよ』
『一人で納得しないで、お裾分けしてくれないか?はははっ』
『ホントのんきなんだから・・・あのね、アキさんを迎えに行ってたの』
『アキさん?東京でお世話になった、あのアキさんかい?』
『どのアキさんだと思ったの?うふふっ』
『じゃ、傍に居るのかな?』
『ひろ子ちゃんとお夕食の用意をしてるから、手が離せないと思うわ』
『アキさんが・・・いずみが呼んだんだね?』
『そう言ったでしょ?一ヶ月ほどひろ子ちゃんのお世話をするの。いずみちゃんの出張のこと
聞いていないの?』

知らないとは言えません。

『そう言えば・・・一ヶ月だったかな?』
『お惚けでしょ?愛する妻の行動を把握していないって夫失格よ。あれね、平和ボケね?・・・』

そうかもしれません。
いずみの変化に気付かなかった事は、痛恨の極みです。
セフレについては、私の了承が得られないのなら諦めると公言していたこともあって、気持ちが
緩んでいたと言われても返す言葉もありません。
あの男との実情を思い起こせば、単なるセフレとは到底言えない程、深い関係性が表出されて
います。
昨日今日に始まったとは言えない程の親密さです。

『・・・聞いてる?』
『あぁ・・・何だったかな?』
『ボケるお歳じゃないでしょ?今からでも遅くないわよ、ボケ防止の対策をしたら?』
『辛辣だね?・・・まぁ、予備軍の一歩手前かもしれないね』
『でしょ?・・・いずみちゃんね、来月末までアメリカでしょ?それまでに気持ちを切り替え
ないと、愛想を尽かされるわよ』