空白の日々に
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Re: 空白の日々に
小田
2026/08/15 (土) 11:38
No.211421
右手は自由ですから、レジャーシート、スポーツタオルに邪魔されながらも、それを見付けます。
小物はポーチに納めている様で、色違いのポーチが数個入っています。
彼女も確認するのですが、
「見つからない?」
少しでも時間を止めたいと、瞳が訴えているようです。
「・・・まだだね・・・」
私の返答が聞えたのか、
「忘れたんだろ?ユビマンで興奮しろ、いいな!」
”えっ?”と振り返ろうとした時に、
「あうん・・・あああぁっ・・・待ってくれる?」
一段と手を強く握ってきて、情けなそうな表情でウインクします。
「おっ!あったよ。これだろ?」
「そう、それなの・・・」
左手は彼の首に巻き付けていますから、自由になるのは右手だけです。
手を放す時に、”仕方ないの”と口パクで言っているようです。
あくまでも私にはそう読めただけですから、事実は全く分りません。
彼から離れて、何もなかったようにその作業を始めます。
「出すぞ!」
「うん・・・」
シートの背もたれで彼女の様子は見えないのですが、二人の会話から推測はできます。
車はそのまま東に向かってゆっくりと発進します。
何分も掛からずに先程の橋を渡って、街の中心部に戻って来ます。
国道を渡って直ぐの公園の傍に停めます。
「できたか?」
「うん・・・まだいいでしょ?」
「小田さんに見せないのか?」
「公園でしょ?観る人もいないわ」
「そうだな」
「そうでしょ?」
「貸せよ」
「うん・・・」
シート間の隙間から見えたモノは、リモコンのようです。
「練習するか?」
「今?要らないし、帰りが遅くなるわよ」
「仕事があるんだったな?」
「うん・・・菊ちゃんが好きにしていいのよ。でも、時間は守って欲しいの」
「約束だからな。小田さんを送ってからにしようか?」
「うん・・・早くしたいから・・・」
「駅までは直ぐだからな、我慢しろよ」
「うふふっ、早くね?」
仕事の時間を確保するために甘言を使っているのはミエミエなのですが、彼女自身も満更でもない
のは明白です。
興奮しなくても露出は可能でしょうが、不特定多数となると、臆するモノがあるのも分らないでも
ありません。
彼の言うように数分も掛からずに、JR駅の北側のロータリーに着きます。
「駅に近いところに停めるからな」
「あっ?忘れ物!・・・いいでしょ?」
「何だよ」
「サングラス、OKしてくれたでしょ?」
「小田さんが降りたら直ぐに用意しろよ」
ロータリーの東側で、タクシー停留所から少し離して停めます。
私が降りるのを待って直ぐに乗り込み、トートバッグからサングラスを取り出します。
マイクロミニのフレアスカートですから、人目を引かない筈はありません。
その奥に見えるだろう下着は見える筈もないのですから、大胆という一言では言い表せない
エロそのものです。
開いたままのドアから、菊本さんに礼を言って、彼女と入れ替わります。
すれ違いざまに、私の右腕にそっと触れてから、何も言わずに乗り込みます。
ゆっくりとロータリーを出て行く車を見送ってから、コンコースに入ります。
仕事の時間は午前中と聞いていましたから、今夜はイレギュラーなのでしょうが、真夜中がその
時間帯になりますから、今夜は菊本さんのところで一夜を過ごすことを私に知らせるために、
彼を誘導したとも取れる会話だったと、思い起こします。