空白の日々に
111 Re: 空白の日々に
小田
2026/08/11 (火) 22:35
No.211271



「ん?・・・ナニかな?」

恍けるのも苦労します。


「見たくないでしょ?それとも・・・」
「見たいとは?」
「聞いていなかったの?」
「済まないね。考え事をしていたから・・・といっても、今見た情景の反芻じゃないから」
「反芻思考なの?」
「ん?・・・このことで?」
「広義的には私かな?そうでしょ?」
「一理あるかな?」
「そうなら、覗きのツアーは狭義の反芻思考でしょ?」
「そこまでは・・・その一端ではあるかもしれないね」
「そうよね・・・分るわ・・・」

彼が割って入ります。

「訳の分からないこと話すなよ。どうなの?小田さんは」
「今言った通りだよ。好きにすればいい、任せるよ」
「それなら・・・」
「見たくないと言ったのよ。分からないの?」
「ほんとか?いずみはいいのか?」
「二人なら今でなくてもいいでしょ?アトで可愛がってくれるのなら、それで満足だもの」
「あはははっ、困らせるな、勃つものも勃たなくなるぞ」
「それこそ困るでしょ?私を困らせたいの?」
「じらすかな?・・・」
「・・・あああっあぅ・・・まだでしょ?」
「帰るか?」
「どうする?」
「ここを出たら見せるんだぞ」
「うん・・・ねぇ、いいでしょ?」
「取ってもらえよ」

体を乗り出して、私の右隣に置いていたトートバッグに手を伸ばします。
手が届く距離でないのは、分かり切っていながらそうするのですから、これも何か伝えたい意思
表示かと思います。

「届かないわ・・・取ってくれない?・・・」

手を伸ばして私の左手を握ってきます。

「・・・開けて・・・えっとね、ブルーのポーチが入ってるの。上に置いたんだけど、下になって
ると思うの。悪いんだけど、探してくれない?」

その間も、手を放そうとしません。

「待ってくれるかな?」