空白の日々に
110 Re: 空白の日々に
小田
2026/08/11 (火) 16:11
No.211259



携行した女性と客の三人と別れて、車に戻ります。
先程と同じポジションかと推測していたのですが、菊本さんが、

「小田さん、いずみは前に乗るから、サービスはなしだな」
「あぁ、どうでもいいが、何処まで送ってくれるんだい?」
「言っくれたらそこまでは送るよ」


車までは数分の距離ですが、先程とは違って、彼の腕に両手を巻き付けた彼女は、私の事など
無視している様に見えます。
トートバッグは先程と同じように彼が持っています。
レジャーシートなどを片付けた事には礼を言ってくれましたが、話せたのはその時までで、車に
戻るまでは一言も話さなかったのです。

車に乗ってから、行先を伝えます。

「JRの北口で・・・南は工事中だろ?」
「分かった・・・いずみ!・・・」

後部座席に私が居る事などお構いなしというよりは、誰もいない設定なのかもしれません。
その時を待っていたと思える程、素早く彼に抱き付きます。

「ねぇ、どうして出さなかったの?」
「聞くなよ。客のためだろ?」
「ゴムしてたのに?」
「あぁ、客のためだ」

同じフレーズを繰り返すのは語彙が貧しいと思えるのですが、彼女は分かって確認しているよう
です。

「何でもお客様でしょ?私は置いてきぼりなの?」
「覗きのツアーを受けたんだから仕方ないだろ?」
「そうだけど・・・寂しいもの・・・もっとしたかったのに・・・ねぇ、聞いてる?」
「ケツを掘っただろ?不満なのか?」
「不満なんて・・・お客様も不完全燃焼でしょ?私もだもの」
「覗きに発射はないだろ?チンポを出したら終わりと決めていたんだから、不満が残っても
仕方ない、そういう設定だろ?」
「お客様はそれでもいいけど・・・」
「したいのか?」
「うん・・・オメコに出して欲しいの」
「困ったヤツだな・・・見せたいのか?」
「誰もいないのよ、誰に見せるの?」

彼女は体を乗り出して菊本さんに抱き付いていますから、彼の後姿に、こちら向きの彼女という
体勢で、キスしながら話している状況です。
極力私に目線を合わさない様にしているのが滑稽です。
彼の瞳を見詰めていればいいのにと、アドバイスしたくなるのですが、そうもいかないようで、
彼に気付かれない様にサインを送っているようです。
それが何なのか全く分からないのですが、特に気持ちに変化はありません。

「小田さんがいるだろ?」
「またなの?見飽きたって断られるわよ・・・そうでしょ?」

顔を上げて目線を向けてきます。
それへの返答をアピールしていたのかもしれません。