空白の日々に
109 Re: 空白の日々に
小田
2026/08/11 (火) 14:51
No.211256



「さて・・・同じような女も多いからね。彼女だけがとは言えないでしょうね」
「多い?・・・綾見ちゃん程エロい女には会ったことがないから、何だったかな、ほら、あれだ!
灯台下暗し、かな?」
「地元にも居るんじゃないかな?探すのも楽しみの一つでしょ?」
「何年も会ってなかったけど、その間に彼女以上の女には出会わなかったよ」
「入れ込み過ぎじゃ?所詮、金のためでしょ?足元をすくわれない様に気を付けて下さいよ」
「それなんだが、そう見えないんだな。本心から楽しんでいるとしか思えなくてね、金の影は
何処にも・・・上手く隠しているとか、どう思う?」
「立場上は何も言えないですね。ただね、お客には全身全霊で楽しんでもらうサービス精神は
持ち合わせていると思いますよ」
「全力投球?・・・それはそうだな、そう思うよ」
「でしょ?それでいいんじゃないですか?」
「そうだな、お遊びなんだから・・・それにしてもいいオンナだな、はははっ」


そうこうしている内に、三人の姿が暗闇の中に浮かび上がってくるのですが、そうだろうと推測
できる程度です。
ところが、その後から急ぎ足で追いついて来る女性が見えます。
4人の影に淡い色が付き始めた時、ツアーを催行した女性とトイレに行った三人だと確認できます。

菊本さんとその女性が話しながら、その直ぐ後ろに、トイレパートナーが腕を組んで笑いながら
戻って来ます。

「お待たせしました。ごめんね?ご一緒できなくて・・・」

彼女の第一声で、停滞していた空気が一気に動き出したように感じます。
率先してと言えばいいかもしれませんが、ベンチに取り残された彼等の前に立ち、二人の腕を
持って立ち上がるように促します。
彼女の後ろには、トイレに行った客が、携帯を操作しながらその時を待っているのです。

私はベンチに座ったまま、様子を窺うことにします。
私の目の前で携帯を覗き込む二人が、思いがけない情景に接したのでしょうか、驚きを隠せないと
言わんばかりです。

「ホントか?あり得ないだろ?」
「こんなやり方もあるの?嘘だろ?」

彼女も同じように覗き込むのですが、少し離れたところで話している菊本さん達の様子も窺い
ながら、私に目線を送ってきます。
困ったと言いたげな表情ですが、本心ではないのはその様子からも理解できます。

私を一瞥して、

「あるのよね、驚いた?」
「ビックリするだろ、ここでするって言うんだから」
「ビックリは嬉しいってことでしょ?」
「そうだけど・・・女、違った、女性の裏の顔を見た、それしか言えないな」
「裏の顔?いくつもあるのがオンナなのよ。あれはその一つに過ぎないの」

トイレパートナーの話しに、留守番組が入ってきます。

「ほんとに?アレがその一つならもっと見たいよ」
「他にどんなことがあるの?」

私をチラッと見て、私に注意を向けさせます。

「それは・・・ご指名頂ければ、お見せできるかも?そうでしょ?」

菊本さんとその女性が、先程のところで話しているのを確認してから、

「今は無理ですね。2ヶ月先まで予約が入っているんですよ。申し訳ないですね」

顔見知りの客が、ため息混じりに、

「残念だな・・・まぁ、仕方ないか。綾見ちゃんは超人気だと聞いてるからね」

間髪入れずに、

「ごめんね?今夜はオシッコのサービスをさせてもらったでしょ?これで我慢してくれない?」

そう言って、彼の頬にそっと唇を付けます。
他の二人が黙っている筈もありません。
想定済みだったのでしょう、続けて二人にも同じようにします。

「じゃ、今夜はありがとうございました・・・」

菊本さんのところに歩み寄って、終わったことを話したようです。