空白の日々に
108 Re: 空白の日々に
小田
2026/08/11 (火) 12:04
No.211247



性行為もある意味戦いでもあるでしょうから、取り残された二人、私を含めてですが、
戦いに敗れた武士とすれば、その屍の跡に夏草が生い茂っているとも解釈できそうです。
性行為の勢いと虚しさが、雑草のそれに置き換えられるとも言えそうです。

私が関係しない性行為後の片付けとは、何ともやるせないものを感じるのですが、その当事者の
一人が彼女なのですから、尚更そう思うのは自然は感情だといい聞かせます。

トートバッグに戻さないといけないのですから、レジャーシートは折シワに沿って、スポーツ
タオルはその大きさに倣って折り畳みます。
捨てられていた洗浄綿は、持ち帰るようにお願いしたのですが、無理強いしたかなと少し後悔
するも、気持ち良く了解してくれたことで、彼等の性格の良さに一安心するのですが、彼女との
会話からも感じていたそれを再確認した思いです。

ベンチに戻って、噴水装置に向かって三人で並んで腰を下ろします。
私の隣に座った、以前もそのツアーに参加していた客が、

「いいですか?」
「えっ?・・・ナニか?」

話さないのも不自然ですから、声を掛けようとした矢先に先手を打たれます。

「どこかで会った気がするのですが、思い出せなくて・・・」
「そうですか・・・僕は記憶にないのですが、どちらからですか?」
「はははっ、このような時に変な男だと思われるでしょうが、気になったものですから・・・」

丁寧な話し方は、過去に会った時のシチュエーションが関係しているのかもしれません。

「・・・あれですよ、四国・・・香川です。こちらに来られたことはないですか?」

大ありです。日本でも有数の化学会社の工場には何度も訪問していますが、彼は客ではありません
から、おそらく現場で顔を合わせた下請け会社の関係者かもしれません。

あるとは言えません。

「さて・・・申し訳ないのですが、地方には行かないですね。このような仕事は・・・」
「そうですね。人違いですね・・・大都市じゃないと、ですね?」
「まぁ、そういうことですね」
「聞いても?」
「ナニか?」
「綾見ちゃんは結婚されているとか、分かりますかね」
「プライベートなことは・・・」
「そうですよね・・・それにしても美人だな。そう思うだろ?」

左隣の客に振ります。

「美人は美人でもバカじゃないだろ?エロくてもエロいだけじゃないとか」
「エロいだろ?その通りじゃないか?・・・そうでしょ?」

今度は私に振ってきます。