空白の日々に
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小田
2026/05/23 (土) 15:58
No.209561



先に投稿しました「自由と束縛の狭間で」から約1年後の出来事をお話ししたいと思います。



念願だった新居もその年の春に完成します。
東京在住だった妻も娘も当地で生活することになります。

新会社立ち上げから1年を経過して、そこそこ順調に推移している様ですが、それには親会社の
楊さんのアドバイス、力添えがあっての事だろうと推測できるのですが、本人はそれには全く
言及しないどころか、こちらから聞かない限り、楊さんの名前も口にしません。
愛人関係は解消していることから、気持ちの持ち方に大きな変化があったと言わんばかりです。

彼女は羽田の会社にも在籍しているのですが、楊さん関連の会社から仕事の依頼を受ける窓口
という立場には、今後も変化はなさそうです。
東京の会社には月2回程度出社していますが、信頼できる女性社員が居るとのことで、安心できる
と公言していますが、それとて、楊さんの計らいだろうことも見え隠れします。
それに加えて、王さんの会社の社外取締役も兼任していますから、本人の弁を待たなくても、
多忙なのは隠しようもないでしょう。

私はその年の4月から、関連会社へ出向になりますが、いずれ転籍になるだろうことも暗黙の
了解です。
ただ、仕事の関連で本社に復帰することもなくはありませんが、出向は私の意向ですから、
その時が来るまでは関連会社在籍が継続する予定です。

明日香ちゃんは、本人の意向を汲んで一緒に住むことになります。
二階の一室を明日香ちゃんに、隣を娘の部屋にします。
妻の仕事の関係で、日常的に娘の面倒を見れない事も想定されることから、明日香ちゃんに
その任をお願いしたのです。
私達夫婦の寝室は同じ二階なのですが、二人の部屋とは少し離れています。
寝室の真下の一階に妻用のオフィス兼寝室を設けています。
寝室と言ってもソファーベッドの簡易的なものですから、仕事が夜中にならない限り、二階で
寝ています。


その日、9月最後の日曜日の午後、家には私一人でしたが、春に完成した家で寛ぐのも楽しい
ものです。
のびのびと言えば、妻に叱られそうですが、リビングで録画していた経済ニュースを観ながら、
コーヒーをお供に午後の一時を過ごしていました。

妻は仕事の打ち合わせで出掛けていますし、娘は昨日から彼女の実家に遊びに行っています。
彼女が送って行ったのですが、帰りはお義父さんが送って来ると聞いています。

午後4時を回った頃、携帯に着信です。
TVの音量を下げて、テーブルに置いていた携帯を手に取ると、妻からです。
夕食のことか、そうでなければ・・・と何も思い付かないまま、携帯に出ます。


『どうした?』

ほんの少しの間合いがあって、

『小田さんの携帯ですね?』

聞き慣れない女性の声です。
不審に思わないでもないのですが、慌ててる様子でもないことから、緊急だとはとても思えない
のです。