仲良しのお母さんと
7 仲良しのお母さんと・・・6
もとき
2024/04/30 (火) 17:38
No.191526
 「えっ?」
バックミラー越しに二人は目が合った。
暫くの沈黙のあとに
「ごめん、このまま帰したくなくて・・・」
私はとっさに何を行って良いのか分からずに答えた。
彼女は、再びハンドルの手に頭を置いて下を向いた。
「こんなところを誰かに見られたらどうするの」
彼女は怒ったように振り向いた。
「じゃあ、場所を変えよう」
「そんなぁ・・・」
「もう少し話をしない?後ろの席なら外から分からないよ」
彼女はしばらく考え、周囲を見渡しながら、ドアを開けて後ろの席に素早く乗り込んできた。
私は彼女の座るスペースを空けたが、急いで乗り込んだので、私に体を預けるような形になり、とっさに彼女の肩を抱き寄せ、彼女の顔が胸に飛び込んできた。
 そんな彼女の顔を胸から離し、頭を抱きかかえ、彼女の唇を口で塞いだ。そして、舌を絡ませようとしたとき、彼女は私の胸を強く推して、頭を抱え下を向いた。
「だめ、だめ、やっぱりだめ。ごめんなさい。追いかけてきてしまって・・・」
暫くの沈黙の間、彼女は肩を震わせていた。長いストレートの髪がの隙間から、白いうなじと耳見え、徐々に赤らんいくのが見て取れた。
 その肌の美しさに私は我慢できず、下を向いた彼女の肩を抱きしめた。
「やっぱりだめ、辞めて」
と彼女は体を硬くして拒み続けたが、深い息で上下する彼女の肩を抱き続けた。
その息が徐々に浅くなり、落ち着き始めた時、彼女が
「私、あなたをずっと前から知っていたの。高校時代からね。真っ黒に日焼けしたテニス部のあなたを遠くから見てたの、凄い厳しい部活だったよね、殺気立っててとても近寄れなかった・・・、そんな私のことなんて知らないよね・・・」
彼女の方らから少し力が抜けたのが分かった。
「うん、気づかなかった」
少し、彼女が笑って肩を小さく震わせたがの感じられた。
「でも、あなたの会ったのは、それだけじゃないの。大学を出て就職して1年後くらいだったかな、○〇市での研修会であなたが研究発表してたのよね。びっくりして、心臓が止まりそうになった・・・。でも、あなたはいろんな人に囲まれて名刺交換してて・・・、凄いなあって。とても私なんかが声をかけられる雰囲気じゃなかった。それも気が付かないよね」
と、また小さく笑ったのが感じられた。
「気づいていたよ」
と私は応えた。同じ高校の後輩で明らかに周囲の中で目立つ可愛い子が会場では目を引いた。