絆のあとさき 4
93 Re: 絆のあとさき 4
小田
2024/04/14 (日) 15:16
No.191216



『いずみが無理なお願いをしたようで申し訳ないね。後で叱っておくから』
『これってスピーカーでしょ?』
『分かっていたんだろ?』
『いつものいつもはいつもなんですね?』
『はははっ、ご明察だよ。石黒さんには隠し事などできないね』
『でしょ?いずみさんって今夜の事を詳しく教えてくれないの。小田さんとタクマさんを
遭遇させるだけ、どういう設定なのかもナニも。それなのに小田さんとの大事な時間を割かれた
のに、いつものいつもって訳の分からない言い訳なんだもの。酷いと思いませんか?』
『いずみも分っていないんだよ。成り行きで仕方なく、そう思ってくれないか?』
『勢いですね?それならありがちなことだわ・・・いずみさん!素直になりましょうね?』

携帯をいずみに渡します。

『反省してるから、そんなに責めないでよ。今夜の事は必ず話すから、もういいでしょ?』
『うふふっ、小田さんと話せたから、今夜はいずみさんに譲ります。明日の朝まで仲良くして
下さいね』
『えっ?いいの?一か月先まで会えないのよ』
『待つのも楽しいモノなんでしょ?・・・小田さん!待たせて下さいね?』

携帯を私に渡そうとして、

「おかしいわ、スピーカーにしてるのに」

顔を寄せあった二人の前のテーブルに置きます。

『いずみに聞いたのかい?自信はないが、頑張るとしておこうか?はははっ』
『いずみさんってボキャブラリーが豊富でしょ?教えられる事ばかり、尊敬しているんです
・・・聞こえます?』
『言わないでね?お鼻が高くなるでしょ?うふふっ』
『はい、今度はオッパイって言えるようになればいいですね?うふふっ』
『もう!寄ってたかって・・・あれ?あなたは言わないから、失言でした。でも、嬉しいわ、
譲ってくれたこと。何かお返ししないといけないわね』

私が割って入ります。
タクマさんと約束した日なら、その後で石黒さんと会うことは可能です。

『再来週の月曜日はこちらに来ているからね、夜の少し遅い時間に。どうかな?』
『えっ?ほんとに?・・・』
『ほんとですか?』

二人ほぼ同時に驚きの声です。

『・・・あなた、出張なの?』
『嬉しいです。何時でも待っています・・・いずみさん、特に予定はないですね?』
『分かったわ・・・その日はサワちゃん用に空けておくから。それでいいでしょ?』
『はい、お願いします。嬉しいな!』
『はははっ、纏まったようだから、僕とはその時に。いずみとは仲良くしてくれるね?』
『はい・・・いずみさん、仲良しでしょ?』
『そうね、これからも宜しくね?・・・じゃ、明日は7時前に帰るから。いいわね?』
『はい、小田さんと仲良くして下さい。おやすみなさい』
『そうね、おやすみ』