絆のあとさき 4
89 Re: 絆のあとさき 4
小田
2024/04/13 (土) 11:10
No.191187



『・・・パンツを脱いだわよ。触るんでしょ?』
『僕の指と舌が・・・あれ?いずみちゃんも話してくれないと』
『いいわよ・・・ゆっくり・・・そうよ、タクちゃん・・・あっ?待ってくれない?・・・』

私にウインクして、

『・・・大変だわ、娘が起きたみたい。後で掛けるから切るわね?』

返事も聞かずに、切ってしまいます。


「おい!おい!いいのかい?」
「寸止め?私には彼よりも大事なモノがあるって知らさないと。そうでしょ?」

ベッドを降りたいずみは、ナイトウエアを脱いで、

「少し時間が出来たから、シャワーと歯磨きね?ないと思うけど、掛かってきても知らせない
でね?」
「あぁ、そういうことなら。悪党だないずみは?はははっ」
「うふふっ、タクマさんも大事なのよ、ベッドではね。悪いオンナかもしれないけど、
彼も楽しめるんだもの、お互い様でしょ?セフレですもの、うふっ」

納得の返答に、ぐうの音も出ません。


バスルームから聞こえるシャワーの音が、タクマさんとの滓を洗い流し、いずみを再生している
ように聞こえます。

一人取り残された思いなのですが、そう待たずにいずみは抱き付いてくる筈です。
二人の会話から読み取れるのは、イヤらしい中年の私とテレホンセックスが二大テーマのようで
したが、解けない疑問も提示されているのです。
それについては、後で説明があるでしょうが、結論に達していないようですから、何も言及しない
かもしれません。

立ち上がって窓の外に目をやるのですが、先程のダブルベッドの部屋とは、夜景が全く違って
見えます。
当然下の階なのですが、見る位置が変わると景色もこれほどまでに変わるのかと、少し大袈裟
かもしれませんが、驚愕と表現したくなります。


10分が経過した頃に、いずみが戻って来ます。

「掛かってきた?」

待たせているのですから、気になるのは当然でしょうし、タクマさん以外の他の人でも同じ対応
だと思います。

「イヤ・・・いずみ、来てみないか?」
「良かったわ・・・ナニか見えるの?」

体に巻き付けたバスタオルが落ちないように、胸元を押さえています。
私の腰に手を廻して、窓の外を見るのですが、

「どこ?何が見えるの?」
「見えるだろ?見えないのは心が汚れているからじゃないか?はははっ」
「えっ?・・・あっ?そういうことね?私にも見えるからまだ大丈夫?」