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　洋子へのジェラシー（４）

　”このように入れられたのか”
　変形松葉くずしだった。私の左の太腿の上に、洋子のお尻を軽く
乗せる形で、ピストン運動を開始した。洋子がややそり気味になる
と、ペニスがクリトリスを刺激するようになった。

　動かしながら
”林田さんはこんな形で、洋子の身体に満足なされたのか”
”なされたと思うわ。だって感情を表現しながら振舞ったもの”
”そんな余裕があったのか？”
”感情を表現したと言うのはウソ。林田さんにいいように演技させ
られたと言うのが本当”
　
　人それぞれに長所があり、林田さんも最善を尽くして、洋子を抱
かれたのがわかる。そして洋子が性の歓びを得て、帰って来たのも
理解できた。
　遣り疲れてウトウトしていた。肌寒さを覚えて目覚めてしまった。
２重のカーテンで閉められている隙間から、朝日が差し込んでいる。

　あれから何発遣ったのか。夫婦交換を愉しんだ直後の、営みのす
ばらしことが実感できた。先程まで一睡もしないで愛し合った私の
欲情は、汲めども汲めども尽きず、洋子も私を求め続け、頭が朦朧
とするまで遣りまくった。

　私が洋子の様子を見たら、ちゃっかり私の腕を枕にして、小鳥の
ように丸くなっている。これは進歩と言うべきなのか、他人に抱か
れた後に夫の私に見せる、大きな変わりようでその適応力は驚くば
かりである。

　そんな洋子を見ていると、またペニスが頭をもたげた。唇に唇を
重ねた。洋子は眠ったまま首を左右に振った。
　かまわずネグリジエの胸元を開き、小さな乳首に唇を触れた。そ
の瞬間丸くなっていた洋子が、いきなり抱きついてきた。
　まだ眠ったままなのだろう、意識はいまひとつはっきりしていな
いようだ。身体の芯が抜けたように柔らかいし締まりも無い。
　私は洋子の半ば眠ったままの、柔らかい身体を押し開きペニスを
中に入れた。

　快感は眠りながらも、微かながら感じるらしい。イヤイヤするよ
うに１～２度首を振りながら眉根を寄せ、唇を開ける。
”あーー”
　と言う声が洩れ、シーツの上に投げ出されていた腕が、無意識の
ように肩に巻きついてきた。

　私が洋子の中で果てたとき、微かに叫び、状態をそらせたが、今
はまた目を閉じ、新しい眠りに入っている。
　どうやら洋子はまだ寝たりないようである。ときどき思い出した
ように眉をしかめるのは、愛された余韻がまだ身体の中に、とどま
っているのかもしれない。

　私も洋子の柔らかい肌に、触れたまま目を閉じた。まことに人肌
ほど心地よいものは無い。その心地よさの中で、ここまで洋子の身
体を変えられた林田さんに、狂おしいほどの嫉妬を覚えた。
　
　洋子の夫婦交換での快楽の開眼と私のジェラシー、これこそ夫婦
性愛のスパイスだと思った。次回の夫婦交換を早く計画し、もっと
ジェラシーを味わってみたいと思った。

　林田さんへのジェラシーは数日続いた。洋子を抱きたいとの思い
が、会社で仕事の最中にも私のペニスを勃起させる。

　その夜もベッドの中で
”このようにされたのか”
　全裸にさせた洋子の乳房から脇、そして下腹まで愛撫を続け、や
がて頃合を見て股間に顔を近づける。舌でクリトリスに触れ吸い付
いた。軟体動物のようにしかと寄り添い、そのままクンニを続ける。

　顔を離すと今度は正面から求めていく。洋子もしかと抱きしめら
れながら身体をうねらせる。さらに次の日は、昨日より洋子の股間
を大胆に開かせ、腰の下に枕を押し込み、突き出させてクンニをす
る。

　当然のことながら体位も、昨日の正常位から後背位とそれぞれ趣
向を変えた。後ろから挿入したまま、耳元からうなじに唇を這わせ
る。それを洋子はくすぐったそうに首を振り、眉根を寄せ目を微か
に閉じ、恍惚の表情を見せながら上り詰めてゆく。

　自分の全ての性技を洋子の身体で試した。

　ジェラシーは数日、続いた。
　次の日も洋子に同じ質問をし、どんな体位でどう抱かれた。こん
な体位でかと責める私に、さすがの洋子もその執拗さにあきれ
”いい加減にしなさい”
　と不快感を表した。

”そんなにやきもちを焼くなら、もう夫婦交換などお断り。自分ひ
とりで参加すれば”