”それじゃ、別室ＳＷを希望なさる奥様はいらしゃらないの？”
”いや、別室ＳＷは別室での楽しみがあるんだ。聞く話によると初
心者は、同室は避けて、別室で楽しんだほうが、良いと言われてい
るんだ。おそらく初心者の洋子は同室だと私に気を遣い、エクスタ
シーを迎えても気持ちを抑えてしまうだろう。私の前で最高に達す
るには、何度かの別室での経験が必要だと思うよ。私だって初心者
だ。洋子がよそのご主人に組み敷かれ、入れられているの見ると、
おそらく嫉妬するだろう。男は女よりデリケートだから、最初は立
ていても、いざとなると中折れして、不能になる場合が多いらしい”

”夫婦交換って、最初からは楽しめないの”
”本当の夫婦交換では別室ＳＷが本道なのだろうな。誰にも気兼ね
なしに夫とは、違う方法と違うテクニックで楽しめるのだから”
”感じたら”
”感じた分だけ、楽しめばいい”
”男の方はどうなの”
”夫婦交換というのは、抱く奥様に喜んでもらう女主体の遊びなん
だから、男は真剣に努力なさるはずだ”
”でも初めてお会いした方に、抱かれて感じさせられるなんて”
”女が楽しまなければ、男は楽しめないんだ。だから洋子も楽しめ
るように努力しなければ”

”はしたないようで恥ずかしいわ”
”その恥じらいを演じるんだよ。恥ずかしそうに喜びを表現する。
それが男の快感を倍増させてくれるんだ”
”あなたもよその奥さんに、真剣にいかさせようと努力するの”
”それが目的だから努力するよ”
”私のとき以上に”
”−−−”
”私のとき以上に努力するのね”
”そんな答えようのない質問、しないでよ。とにかくそういう方向
で頑張る”
”洋子初心者だから、相互観賞にしようかな”
　私が不服そうな顔していると
”あら、不満なの。だったら無理に参加しなくてよくてよ”

　それから相手選びが始まった。
　夫婦交換専門雑誌ホームトーク誌から選ぶことにし、購入して洋
子に渡した。
　わたされたＨＴ誌を一読しただけで
”ま〜ぁ、こんないやらしい本、本屋さんで売ってるの”
　と驚いた。

　ほとんどのページが、男の食欲をそそるような奥様方が、見事な
裸身を惜しげもなく紙面上に披露なさっている。中には性器をむき
出しに写したり、男性のペニスを口に咥えたりして、関心を呼ぼう
となさっているのもある。洋子が驚いたのは、年齢や身長、体重を
記載していることだった。
　
机上の空論ではなく、実際に存在する経験者の投稿を読んで形にで
きるのだから、極上の楽しみといえる。無理に楽しめと言われても、
そう簡単に夫婦交換を楽しめるものではないが、ＨＴ誌のおかげで
会話の時間が広がり、２人で自由に話し合う雰囲気が出来た。

　この夜からセックスの前戯の変わりに、２人で楽しみながら読ん
だ。私が
”こんな綺麗な人や、スタイルの良い人もセックスを楽しんでいる
んだね”
　男の私にはうまそうな人妻たちの、オンパレードに写りうれしく
なっちゃう。洋子が
”あら、私達と同じ遊びを望んでいる人がいるわ。
”どれどれ”
”ノーパンでアウトドアで楽しみませんか。映画館で刺激と昂奮を
味わうのも素敵ですよ。この前、新宿の映画館であなたとしたペッ
テング見られたのかしら”
”刺激が違うよ。他人とするのと夫婦でするのでは、根本的に違う
よ”

　次の夜、洋子がＨＴ誌を広げて
”本に記載されている手記、最初は相互観賞からスタートなさって
いながら、どのご夫婦も最後には、交換していらっさるのね”
”そのようだね”
”洋子相互鑑賞と言ったけれど取りやめるわ。あなたのそばでよそ
のご主人を受け入れるの、恥かし過ぎます”
　思わずまた振り出しに戻るのかと、失望の色が顔に出たが、洋子
は続けた。
”別室ＳＷにして。それだったらいいわ”
”安心した。洋子が断るのかと思って心配しちゃった”
”洋子、決心したときからもう後に戻れなくなったの。あなた一人
しか知らないより、いろんな人に抱かれたいの。あなたのおかげで
身体が、こんな願望を持つようになってしまったのよ”

　２〜３日後不満そうに
”女にとってこの本、不公平だわ”
”どこが”
”全部女の人のヌードばっかりじゃないの。男性の写真一枚も載っ
ていないわ”
”女房自慢をしたいのが、男の心境だからさ”
”女だって、選ぶ権利があるはずなのに”
”商品価値の問題だ”
”それって、どういう意味”
”常識的に考えると、女性の方が異性体験が少ない。それだけで
価値が違う”
”じゃあ、あなたは何人の女性と性体験があったの”
”−−−”
”あなた初めて女性を抱いたのいくつのとき”
”童貞をなくしたときのこと？”
”そう、聞きたいの”

長いよ

面白いです。

じっくりが好きなので、楽しんでます。
更に旦那さんが慌てる展開になれば嬉しいです。
最後までよろしくお願いしますね。