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過去ログ[14]

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[9530] (妻)洋子 裕次郎 投稿日:2008/10/09 (木) 13:46
洋子の神経は、私が考えている以上にズタズタに引き裂かれていた
のです。
 
 夫から夫婦交換の実行を迫られ、妻がそれに応じないと会社の部
下の処女を奪い妊娠までさせる。これらを自分の感情と対峙させ、
苦しみ悩んでいたのです。
 
 桑原智子が結婚し退社したと、夫は正直に過去を話し詫びたので、
その時は納得し許そうと思った。でも浮気がばれなけれは家庭はそ
のままで、若い女性を恋人にして男として、幸せで楽しい生活を続
けていたと思うと、夫の不誠実や身勝手さに腹が立ち、心が乱れて
夜も眠れなくなってしまうほどでした。

 それにプラスして桑原智子が結婚して離れると、又夫婦交換を毎
夜のように勧める。だが嘘のない真剣な夫の言葉に、返事に詰まる
ことさえあった。
 夫婦なら1夫1婦制を守って行なう正常なセックス、夫婦交換と
いう反社会的と思える異常なセックス。恋愛小説の中にさえ出てこ
ない、妻が夫の了解の上で、夫以外の男にだかれるという、現実離
れした世界。失意、絶望ーーどんな言葉でも表しきれない底なしの
無力感に襲われ、憔悴し、転がり落ちる感じであきらめてしまった。
 
 結局
”どうにでも、なるようになったらいい”
 と捨て鉢な気持ちで夫の提案を、受け入れようと決心してしまっ
た。
 
 男の心には、夫として妻を愛する行為と、男が女を求める本能の
行為、この相反する2本の柱が、男にあるんだとわかったのです。
 それからはもう1通り悩んで泣いたのだからもういいじゃないか。
勝手な人だけれどそれでも夫婦なのだから、洋子の操は夫に預けよ
う。夫に逆らって又浮気でもされたら、自分が惨めになるだけだ。
それより夫の愛情を信じてついていこう。夫の愛情を疑うなんてい
けないことなんだわ。これからも主人と一緒に歩いていきたい。
もう悩まないで、夫婦交換を受け入れ、蕩けるような歓喜とやらを
積極的に求め、主人と一緒に楽しもう。これが男のエゴと、女のサ
ガなんだ。

 これが夫婦交換を受け入れた、洋子の決意でした。
 決意したものの、これからのことが心の中で渦巻き、どうすれば
いいのか私にアドバイスを求めてきた。

 つんと鼻先に涙がわいてきそうな声で話す洋子に、適切な方向付
けさえしてやれば、後は時間が解決してくれると思い、私は
”女の道は1本道と、昔の人は言ったが多様化した現在では、1本
道のように見える人生のすぐそばに、何本もの道が出来ているんだ
よ。その中の1本にひょいと、またぐ勇気だけでいいんだよ。踏み
出したその道が私の勧めている夫婦交換なんだ”

 こう諭すと洋子はおおきくうなずいた。そうして
”あなたにしたがうわ”
 と決断したと話した。私は言葉もなく洋子を前にして、ひたすら
頭を下げ感謝した。やがて大粒の涙が自然に流れ、うれし泣きに泣
いた。そして洋子に
 ”たった一度しか生きれないんだ。体が欲する性の欲望に、正直
に振舞って行こう。何も周りに気兼ねして、お体裁を作ってきれい
ごとで、暮らしていく必要はないのだから”
”そうよね。好きなことして遊んで暮らせばいいのよね”
”そうだよ。洋子も40歳だ。これからは人生の午後に向かってい
る。老け込む前の青春回帰と思って楽しもう”
”いつまでも、愛してくださるわね”
”もちろんだとも。洋子もずっとついてきてくれるね”
”あなたの妻だもの。もちろんついていくわ”
 
 私達の運命の歯車が、カタンと一つ噛み動いた日である。その日
の日記帳に
(感激、感激、感激)から始まっている。そしてやたら感激の言葉
が、書き連ねてある。肉体、肉声を通して直接、心に響く感動を表
す形容詞を、ほかに思いつかなかったせいだろう。

 それからの洋子の態度が、一変したのです。

[Res: 9530] Re: (妻)洋子 プロレスラー 投稿日:2008/10/12 (日) 20:03
楽しみに読ませて頂いています。これからの奥様の変化に興味津々です。引き続き宜しくお願いします。