○　性交不能症
　私の勃起不全を洋子は
「アメリカでは、離婚ものなのよ」
　と真顔で私を責めた。
　そう言えば、近年日本でも離婚が多いと聞く。私のように、セックスで満足を与えられない男が増えたのかもしれない。昔から、からっ風と夫婦喧嘩は、夜には止むと言う。夜のセックスが夫婦の絆を取り戻してくれているのだろう。
　そんな洋子の脅しに負けて、総合病院の泌尿器科を受診した私の病名は
　”性交不能症”（病気の百科事典に記載されている）
　診察したちょび髭を生やした医師は、
”身体に異常がないのに勃起が起こらなかったり、起こっても陰茎（ベニス）を挿入する前に軟らかくなってしまい、不能となる病気です”
　と説明してくださった。そして
”治療は難しく、ホルモン注射や服薬だけでは治りません。精神的な原因があるはずです。それを取り除く必用があります。思い当たることは？”
　横で看護師が聞いているのに、
”職場の女性職員と、おまんこがしたい思いがつのって”
　とは言える訳が無く
”それが急にこのようになってしまったのです”
”ま〜セックスのことですから、恥ずかしく隠したい気持ちは分かりますが”
　うそをつくな、不確実なことを言うな。医師としては当然なことだが私には言えなっかた。
　医師は気の毒そうに
”理由の分からない病気に、手品のような治療や妙薬は無いですよ。内診科だな”
　すなわちノイローゼ扱いになったのです。思わず大きな声で
”バイアグラは効きませんか”

○　バイアグラを購入
　”バイアグラは病院には置いてありません。あれは快楽を得るもので治療薬ではありません”
　しかしすがるような私の態度に
”処方箋を書いてあげるから、院外薬局で購入しなさい。ただし保険の適用外ですよ”
　と言いながら処方箋を書き始めた。それを見て看護師が笑いをこらえて
”良かったですね”
（なにぉ〜このぉ、おまんこにチンボをぶっこんで、ヒイヒイ言わせてやろうか）
　と言いたいのをこらえて、（出来ないのだから）笑顔で
”有難う。おかげで我が家は夫婦円満になれる”
　と言いながら会計に急いでいきました。会計の若い女性は処方箋見てニヤッと笑った。
”クソッー”
　あれは営業笑いではない。けいべつの笑いだと不快になったが、処方箋は手に入ったので、すぐに院外薬局に持参した。
　ここでも受付は若い女性である。びっくりした眼で出した処方箋と私の顔を見比べた。そして薬剤師を呼んだ。薬剤師は
”置き薬はありませんので、本部に問い合わせます”
　本部にも無く、問屋から取り寄せるとか、価格設定とやらで３０分以上待たせられました。そのあいだ他の係員がジロジロ私を見ている。恥ずかしいかった。やっと本部との打ち合わせを終えての答えが
”３日後入荷します。入りしだい自宅に郵送します”

○　バイアグラには２５ミリと５０ミリがある。
　紆余曲折を得て購入したバイアグラが効かないのです。
　すぐにあの助平医者のところに行った。ちょび髭は
”セックスは気持ちの問題です。その気になっていれば出来るはずです”
　と言いながらも５０ミリの処方箋を書いてくださった。
　病院の会計で、院外薬局の受付で、また恥ずかしい思いをしましたが、薬剤師は親切に用法を説明してくれた。
”飲酒や食事の後は、胃や肝臓に血液が集まります。食間に服用してください。そうすればベニスに血液が集まり必ず効果が出ます”

　その通りに服用したらてきめんに効果が現れたのです。

裕次郎さまへ
私は事前に泌尿器科の病院に電話をしてEDの治療を行っているかを確認してから行きました。
やっぱり恥ずかしかったですが、先生に聞いたところ「このテの患者さんは１日に何人もいらっしゃいますよ」と言って、「何も恥ずかしい病気ではありません」とおっしゃってました。
そこの病院で、「バイアグラ」と「レビトラ」を処方してもらいました。（高いですねー）
私自身は、「レビトラ」よりも「バイアグラ」の方が副作用が小さい様です。

唯一の失敗は「シアリス」の知識がなく、それの処方を断ってしまった事です。
「シアリス」は服用後から効果が現れるまでの時間が早い様ですし、効果の持続時間が約2日有るようです。

お互い連れ合いをヒーヒー言わせてやりましょう。