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[53984] 続出張先の妻は@ 飯坂 投稿日:2010/07/03 (土) 19:44

妻の告白から二ヶ月が経過した。
あれから僕は毎晩のように妻から話を聞きだし、そして興奮し、妻を何度も抱いた。

5人もの男とどんな体位で寝たんだ?
一番感じた体位は?
一晩でどれだけ逝かされたのか?
セックスの最中どんな会話をしたのか?
実際にどこを愛撫されたのか?
絶頂を迎えた時はどんな声を出したのか?
どんなふうにあそこを触られたのか?
口の中で射精されたときは飲み込んだのか?

僕は妻とセックスの最中に数え切れないほどの質問をした。
そして、同じ質問も何度もした。
妻は嫌な顔を一つもせずにそれらの質問に答えてくれた。
それによって、僕の嫉妬心から沸きあがってくる怒りはおさまっていくのだった。

二ヶ月以上が経ち、僕の感情がだいぶ落ち着いてきた頃、突然園部から連絡が入った。

「この前の出張が終わってから白幡さんの様子が変わった気がしますけど、何かあったのですか?」

僕が電話に出ると、園部は唐突そう切り出してきた。

「変わった?」

僕は平静を装って園部にそう答えた。

「ええ、どうもそんな気がするんです。その後の出張も、なんか避けてるようですし・・」

「避けてる?」

妻とはその後、仕事のことは話していなかった。
妻の情事の話は繰り返し聞きだしていたが、これからについては何一つ話し合っていなかったのだ。

「いや、避けてるというか・・・何か・・村井さんや酒井さんを避けているような・・・僕の取越し苦労かもしれませんが。笹原は何もなかったと言っていますけど、やっぱり何かあったのかと・・・すみません、僕が気にすることじゃないですよね」

確かにこの二ヶ月間で僕たちの夫婦関係は一変した。普段あまり感情を表に出さない冷静な妻であっても、見ている人にはわかる変化があったのだろう。

「いや、気にしてくれてありがとう。そうだ、園部くん、今晩ひまかい?暇なら飲みにでも行かないか?」

僕はその場で園部にどう言おうか決めかねたので、とりあえず時間を作り、今後妻のことをどうするかじっくり考えてから、園部を利用できるのならそうしようと考えて飲みに誘ってみた。

「えっ、いいですよ。僕も飯坂さんとじっくり話したいと思っていたので」

すぐに園部は誘いに乗ってきた。

「わかった、じゃあ場所は後でメールする」

そう言って僕は電話を切ったが、園部と会って実際何を話そうかずいぶんと迷った。
結局答えは見つからないまま、園部との約束の時間になった。
自分から誘った話だ。
僕は何も考えずに園部と会うことにした。

[Res: 53984] Re: 続出張先の妻は@ 太一 投稿日:2010/07/04 (日) 09:04
続きを待ってました!

[Res: 53984] 続出張先の妻はA 飯坂 投稿日:2010/07/06 (火) 07:21

「おひさしぶりです」

僕はその夜、園部を目黒の居酒屋に誘った。
本社企画部の園部は独身で今年29歳になる。
色黒で背が高く、整った顔つきをしているが、現在は特定の彼女はいないようだ。
以前に聞いたが、園部は妻に対して若干の好意を抱いている。
僕はこの園部が友人の笹原とトイレで妻の噂話をしているのを偶然にも聞いてしまった。
噂話というのは、妻が出張中に同僚と情事を重ねているということだった。
その後僕はこの園部や笹原と共に噂話の真相をつかもうとした。
結局証拠をつかむことは出来なかったが、僕は妻の口から真実を聞き出すことが出来た。
しかし、一番最初に噂話を吹聴した佐々岡(これは僕より一つ上の先輩社員だが)
はともかく、園部と笹原は事の真相をいまだ知らない。
もちろん僕は園部に妻から聞いたことを話す気など少しもない。
ただその後妻の会社での態度について聞いてみたかったので園部を飲みに誘った。

「まあ、堅くならないで、今日は二人でくつろいで飲もう」

園部は僕に弱みを握られているので、僕の前ではいつも緊張した顔つきになる。

「亜季の様子があれから変わったって、どういうことなんだ?」

飲み始めて30分もすると、すっかり二人ともリラックスしてきた。僕はなにげなく妻の仕事の様子を園部に聞いてみた。

「僕の思い過ごしなのかもしれませんが、なんとなくそんな気がして・・・自宅では奥さんの様子は変わりないですか?」

逆に園部の方から妻の様子をうかがってきた。
僕はこれに対してどう答えようかと一瞬迷った。

「いや、特に何も変わらないよ」

平静を装って僕はそう園部に答えた。
その後ぼくたちは居酒屋で飲みながら当たり障りのない会話をした。

「なんとなく、飯坂さん雰囲気が変わりましたね」

「どういうこと?」

「いや、この前まで奥さんのことになると、目の色を変えていたのに、今日の飯坂さんはとても涼しい顔をしている」

「そうかな・・まあ、少し心境の変化はあったかな」

「どんな変化があったんですか?」

すかさず園部が突っ込んだ質問をしてきた。僕は予想の範囲内だったので、ひるむことなく園部に答えた。

「この前までは妻が浮気をしたんじゃないかと、とても気になって自分を見失っていた」

「それは仕方ないですよ」

「でも、考え方を変えたんだ」

「考えを?」

「そう、ぼくは妻を愛している。だから、妻の過去にたとえ何があったとしても、それをすべて受け入れようって」

「つまりそれは、浮気をしていても許すということですか?」

「許すとか許さないとかじゃないんだ。妻も一人の人間で女だから、もしも仮に何かの事情で間違いを犯してしまったとしても、それらをひっくるめて妻を愛そうと思ったのさ」

そう言うと園部は言葉に詰まったようにぼくを見つめていた。

「そう考えを変えると、不思議と夫婦仲までもが良くなってね。涼しい顔をしているというのはそこからきてるのかもしれないな」

ぼくは園部の隣で余裕の表情でそう言うと、ジョッキのおかわりを店員に告げた。

[Res: 53984] Re: 続出張先の妻は@ さど 投稿日:2010/07/06 (火) 09:22
こんにちは、飯坂さん。
第二部の始まりですね・・・新しい展開を期待してます。