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妻は泣きじゃくりながら続けました。
「あなた、ごめんなさい。本当にごめんなさい。
私は自分がいきなり社長の会社に行ったとき、きっと社長が私を受け入れるだろうと思ったんです。
それは社長の性癖を知っていたから。
あの社長、例えば彼氏がいる女の子とか、婚約者がいる女性とか、旦那さんがいて夫婦仲もいい奥さんとか、
とにかく自分以外の男がいる女性を奪い取るのが好きだと、前々から言っていたんです。
そして、一旦関係が出来ると昔もいつも、他にも女がいることを得意げに話して、どういう女性を自分が
奪い取ったか、またどういう手を使って堕としたかをベットの中で自慢していたんです。
私も昔、彼がいました。
社長とお付き合い、いや、社長の愛人になってから数ヶ月でその彼とは別れたけど、その後社長はどんどん
私に対する興味を失って行った感じなの。
それでも、2年ほどは関係を続けたけど、今まであなたに話していたのとは違って、最後の方は私が社長に
縋り付いていた感じでした。
そして別れる頃には「教子、お前、新しい彼氏作っていいんだぞ。」と、口癖のように言っていた。
そうすれば、「その男に張り合って、俺がお前を思い切り満足させて、またそいつの手から奪い返してやる。」と。

社長は、結婚してわずか1年ほどの20代前半の若妻さんと関係を持ったこともあるそうなの。
その若妻さん、旦那さんの稼ぎがあまりよくない上にギャンブル好きの旦那さんで、それで苦労していたので
社長は相談に乗ってやって、その上生活の面倒もみてやったといい人ぶって自慢していた。
そして、そうこうするうちにその若妻さんが妊娠してしまった。
結局、その若妻さん、旦那さんには一切相談せずに堕ろしたって。
でも社長は、その若妻さんが中絶する費用まで自分が負担してやったんだし、その子が一体誰の子だったのか
までは俺の知ったこっちゃないと嘯いていた。
結局、社長は女性がひとりの男性のものになる幸せを壊したり、すでに幸せな家庭を築いている女性を
誘惑して堕として、どれだけその女性やその女性を愛している男性を踏みつけにすることが欲求なんだと
私は気付いていました。

だから、既に離婚して社長が今独り身だったとしても、結局私は社長が弄ぶ“他の男がいる女”の一人で
しかないし、あなたと離婚でもしたらそれこそ私には何の興味も示さなくなるってわかっていたの。
でも、もう自分で自分を止めることが出来なくなってしまって・・。」