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私は、妻が携帯を自宅に置いたまま近所のスーパーに買い物に行ったとき、メールの履歴を見てみました。
つらつらと見ていっても、残っているのはお姉さんや友人たちと思われる女性からの他愛のないものばかりです。
しかし、着信履歴の下の方に、昨年正月頃の古いメールで、送信者が「D」とアルファベット1文字の登録を
されたものがありました。
長文でした。
そして、その内容は・・。
表現などは若干違うかもしれませんが、私の記憶に頼って書いてみます。

教子（妻の名前）へ
君が私の会社に来てくれて嬉しかった。
苗字は変っていても、従業員から様子を聞いてすぐに君だとわかった。
食事のとき話したように、私みたいに事業をやっている人間は不景気のときこそ資金は調達しやすいし、
上手く商機を掴めば利益が大きく出ることもある。
でも、君のご主人はサラリーマンなんだからボーナスや給料が会社の業績に大きく左右されることも、
ある意味仕方がないんだよ。
その代わりに、我々のようなものにはない安定した生活が保証されているんだから。
別にご主人の肩を持つつもりじゃないけど、ここをわかってあげると、サラリーマンのいい奥さんと
いうことになるかな。

食事の後で行った所で昔のように二人の時間を過ごして、私は時間が戻ったような気がした。
そして、君が昔と全く変っていないことも、とても嬉しかった。
以前は私は結婚していたが、話したようにもうとっくの昔に別れた。
でも、今は君の方にご主人がいる。
私たちの仲はどうして上手くいかないんだろう。

でも、また会おう。そして、二人きりの時間を過ごそう。
君さえ決心してくれたら、私は教子を喜んで迎えたい。
私は真剣だ。本当だよ。