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[46265] 家庭訪問・27 公務員 投稿日:2009/10/04 (日) 18:08 私の前方の床に、私以外の大きな影が映りました。人影だっ!その人影の両腕が、ぐわっと上に挙がったのです。バリバリと、ビニールの音がしました。そして、私の人生で初めての、死闘が始まったのです。
頭から何か被せられ、視界が白く遮られました。コンビニの袋だっ!そう思った瞬間、物凄い力で壁に叩きつけられました。側頭部を強く打って、床に倒れこんだ私の胸に、強い衝撃が打ち付けられてくる。 「うおおぉ・・・」 呻き必死で頭から袋を取った私の目に、足を持ち上げる、あの男が映りました。ドカッ!ドカッ!ドカッ!男は持ち上げた足の裏を、私の頭や腹を狙って叩きつけるのです。頭を防ぐ腕の間から男の顔を見ました。真っ赤な獣の目だ。殺意の塊だ。その直後、私の内の野獣が吠えました。 「うおおおっ!!」 男の腰にぶつかり、しがみつきました。そして、ポケットの中のモノをつかんだのです。 『だめえぇっ!』 胸の中に、妻の声が響きました。頭の中に、妻の顔が閃きました。悲しそうな顔で頭を振っている妻の顔でした。 ポケットの中のモノを離した瞬間、腹に男の膝がめり込んだのです。 「うげえぇ・・・」 ドカッ!ぐしゃっ! 崩れ落ちた私の後頭部に、男の足が落ちてきました。意識が薄らいできた私の首を締めるようにつかんだ男は、私の体を非常階段のドアの外に向かって放り投げたのです。 ガンッ!ガンッ! 非常階段の鉄の踊り場の柵に打ち付けられた私の目に、目がくらむ様な階下が見えました。8階・・・。 ドカッ!どすっ!ドカッ! 再び足の裏を打ち下ろす男。男は、最初から私をここに誘いこむつもりだったのだ・・・。8階・・・この高さなら、十分に私を・・・。私が気を失った後に、私を抱え上げ・・・。 朦朧とする意識の中に、今日の昼間、学校の駐車場の車内で、絡み合う妻と男を覗き見するため身を隠していた、南洋の巨木が浮かび上がりました。その巨木の根っこ・・・地面から浮き出て腐っていた・・・。 男が、必要以上に足を高く持ち上げたのです。もう私に抵抗の意思がなくなったと思ったのでしょうか?巨木の根っこに被さる様に、男の、持ち上げていない方の足に目が行きました。私の内の野獣が、また吠えました。 「おおおぉっ!!」 私は、男の足首に肩からぶつかり、思いきり体をひねりました。男の巨体が、ぐらついて、男が始めて、声を上げました。 「うわあっ!!」 ガシャンッ!ドガンッ!ガガンッ! 男の巨体が、階段を転げ落ちていき、下の踊り場に叩きつけられました。私は這いながらビルの中に入り、フロア全体を見回し、そして、照明の電源を見つけ、スイッチを切ったのです。 パッ・・・と、フロアが暗くなりました。非常口の場所を示す緑の電灯だけがほの暗く点いている。カカン・・カカン・・カカン・・・非常階段を上ってくる音が響きます。男が、中に入ってきた。 ほの暗い照明に照らされた男の額が、黒くなっている。血だ。そして、落ちていたのでしょうか?破れた傘を手にしていたのです。男はその長い傘を、竹刀のように正中に構えた。顔の半分を血に染めながら、私を見据えている。隙がない・・・。 私は、勝てるのか・・・?あの男に勝って、家に、妻の元に帰れるのか・・・?その時、男の視線が、驚いたように、私の後ろに注がれたのです。 「せやあぁっ!!」 けたたましい雄たけびとともに、黒い人影が私の後ろから飛び出し、男に向かっていきました。棒を手にしている。そしてその棒を、男に振り下ろした。 「ひええぇっ!」 男が叫び、振り下ろされる棒を傘で受けた。そして、数秒間、つばぜり合いをした後、 「ふおおっ!」 男が、相手を壁に叩き付けたのです。それから傘の先で、相手の胸の辺りを突いた! 「ぐうう・・・うううぅ・・・」 苦しそうにうなるその相手を背に、男は再び私の方を向きました。浮かび上がる男の恐ろしい目。私はその瞬間、スイッチを押しました。パッ!急に点いた照明に、男が目を細め、私から顔をそむけたのです。 私の内の野獣の、最後の咆哮。 「うぅおおぉっ!!!」 私は頭から、男に突進しました。男が傘を上段に振り上げたのが、私に幸いしました。私の頭が、男の顎にぶつかり、グシャッ!と、骨が砕ける音がし、私は吠えながら、男の巨体を押し続けました。 「うおおっ!おおおっ!」 私は男を、非常階段に押し出し、柵に背中をぶつけて呻いた男を思いきり振り回しました。そして、私の体が浮き上がりました。 ガガンッ・ガガンッ・ガガンッ・・・ 私と男は、もつれながら階段を転がりました。いや、私は男に飛び乗っていたので、衝撃を受けたのは男の方だったのです。 「ううぅぅ・・・」 踊り場まで落ちた私と男。男が、血だらけの顔を持ち上げました。手のひらを広げて、私に向かってくる。そう思った時、男は泡を噴いて、ガクリと崩れ落ちたのです。その後、じっと動かない。 「はあはあはあはあ・・・」 私は荒い息を吐きながら、柵にしがみつき、立ち上がり、うつ伏せで動かない男を見下ろしました。男の背中は、服が破れ、血まみれになっている。そこら辺に転がっているビールビンの破片や尖った石ころで負傷したのだろう。私はポケットに手を入れ、中のナイフをつかみました。 『あなた・・・』 また、妻の悲しそうな顔が浮かびました。 「くそう・・・」 ポケットから出さずに、私はナイフをぐっと握り締めました。その時、 「大丈夫ですか?」 頭上から、人の声がして、 「もう、止めて下さい」 と、階段を下りてきたのです。 「堀田さん・・・」 [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 もはや… 投稿日:2009/10/04 (日) 18:44 凄い世界ですね。何でしょうこの展開は…。
絶対に完結までお願いしますよ。 [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 ちゃららん 投稿日:2009/10/04 (日) 19:50 ん〜ん公務員さんの男を見ました。あんなカッコいいよ!と叫びそうになります。速く続きお願いします
[Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 もっこりん 投稿日:2009/10/04 (日) 21:22 公務員さん、やりましたね!
嬉しいです!とっても! さらに続きが気になりますね! [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 もげもげ 投稿日:2009/10/04 (日) 21:25 うーん・・・大ドンデン返しがあるような・・・。
戦っていた相手が違う人・・・だったりして・・・。 そうなると・・・傷害罪で逮捕?ですね・・・。 [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 maru 投稿日:2009/10/04 (日) 23:43 この相手がエロ教師だとしたらこのエロ教師、完全に常軌を逸してますよね。
こんな男から何としても奥さんを守らなければならないですよね。 また続きが気になるところで中断ですが、次回を待ってます。 [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 正弘 投稿日:2009/10/05 (月) 10:33 この手の書き込みでは、初めての展開、o(^o^)oですよね。続きを期待してます。
[Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 とりりん 投稿日:2009/10/05 (月) 13:26 おお!
なんか急展開! もうちょっと奥様の淫らな ヤられっぷりを堪能したい気持ちもありますが・・・。 なんにせよ、クライマックスが近付いているのでしょうか? 続きが楽しみです。 [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 期待 投稿日:2009/10/06 (火) 01:52 次回展開楽しみにしています。
許すのも愛、裁くのも愛。文才に拍手 [Res: 46265] Re: 家庭訪問・27 まとり 投稿日:2009/10/06 (火) 02:47 本当に文才あると思います。
下手なプロの作家よりも素晴らしいくらい。 驚くような展開ですが、続きを私も期待してます。 私だけでなく、多くの方が期待しているはずです。 次もまたお願いします! |