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[42394] 妻の琴線 真樹 投稿日:2009/05/18 (月) 15:34
初投稿ですが、妻と歩んだ、およそ2年前からの出来事です。


私、下条真樹37歳、
身長172cm、体重67kg、
中堅企業の営業部に所属しています。


妻、美咲28歳、身長167cm
体重54kg、バスト86cm
Dカツプ、ウエスト62cm
ヒップ88cmの色白な女性です。


結婚して4年を、つい先日
過ぎたところです。


高校時代、大学時代、会社に勤めてからも、遊び続けた私の、女遊びも、美咲を知ってから、ピタリと止みました。


性格の相性は勿論、
今まで出合った女性とは
違う肌の質感…もち肌の
女性とは、これだったのか!と思わせてくれた女でした。


私は、美咲に溺れました。
23歳になったばかりの娘に9歳、年上の私が、仕事も手に付かない程、夢中になりました。


どんどん、話しを進め、結婚にこぎつけた時には、まさに有頂天…


会社からの帰宅も一直線、共稼ぎでしたから、私の方が早く家に着く事も度々でした。


会社帰りに待ち合わせして食事をしたりするのは、今も変わりませんが、すれ違う男達が振り返る程の
スタイルの良さと、華やかな雰囲気に、私は鼻高々です。


ほろ酔い加減の美咲は、
艶やかさも加わり、体中から女の香りを放ちます。


私の左腕に絡まり歩く時には、豊かな乳房のふくらみが、心地よく、その場で
抱きしめたい衝動に駆られるのです。


そんなある週末の夜、
少し酔った私達は、
ぶらぶらと酔い醒ましを
かねて、自宅の手前駅で
下り、歩く事にしました。

いつも見かける表通りは
つまらないと、裏通りを
歩いてみました。


しばらく行くと、意外と広い公園に出て、釣りをしている人も、何人かいます。


「へ〜こんな所に公園が
あるんだ」


『知らなかったの?』


「あぁ、全然知らなかった、いい所だなぁ…」


『あなた、あそこに倒れてる人がいるわよ』


「酔っ払いだろ?大丈夫だよ…寒くもないし」


『でも…病気かもしれないし、酔っ払いでも、おサイフ取られるかもしれないよ』

そう言うと妻は、小走りにその男に近づき、腰を下ろしました。


私はベンチに腰をかけ、
妻と男を眺めていました。

『おじさん…大丈夫?
酔ってるの?気分が悪いの?…おじさん、しっかりして…風邪ひくわよ…こんな所で寝ちゃだめよ…あっ!おじさん、私、ようこさん
じゃないのよ…私、違う人よ…あなたぁ…ちょっと
来て…おじさん、奥さんと勘違いしてるみたい』


私が妻の所に行って見ると、50年配の男が妻の足首をつかみ、片手は妻が押さえているように見えました。そして


《ようこ…ようこ》


と、うわごとのように
つぶやいています…


『おじさん、酔って、
奥さんと勘違いしてる…』

私は黙って、妻の足首を
つかむ手を、引きはがそうとしました。


『あなた、勘違いしてるだけだから…乱暴にしないで』


意外な言葉と反応に、私は一瞬、躊躇しました。


「だって、足首を…」


『私は大丈夫だから…
お父さん位の年齢よ、
きっと』


私は、そうか!そう言う事か…と納得しました。
美咲は中学1年の時に、父親を亡くし、それ以降は母親と二人暮らしでした。


父親が美咲を溺愛した事は義母からも、美咲本人からも、何度も聞いていました。

「ほっとけないんだ?」


『うん…私だめ…変かなぁ…ファザコン?』


「足首痛くないか?痣に
なっちゃうよ」


『平気…ようこって、
奥さんかなぁ…ようこ、
ようこって、かわいい…』

「可愛い?」


『可愛いじゃない…
酔っ払って、意識が無くても、奥さんの名前を呼ぶなんて…私、好きよ…そんな男の人…』


「俺だって、酔っても美咲の名前を呼ぶよ」


『うふ!馬鹿みたい』


それから1時間くらい、
結局、おじさんが、のろのろと起き上がるまで、側に居たのです。


「おじさん、大丈夫?
駄目だよ、酔っ払って、こんな所に寝ちゃ…」


《あんた誰?どこで寝ようが…フン!…ここはどこだよ》


『ここは公園よ。おじさん!ようこさんって誰?
ようこさんが待ってるわよ…』


《ようこ?ようこって誰だよ!?そんな奴、知らねぇよ!連れて来てみろ》


『奥さんでしょ!おじさんの奥さん!』


《あんた誰?兄ちゃんの
彼女か?いいな!いい…》


「おじさん、俺達、帰るけど家まで帰れる?
家、近いの?」


《家?そんなもんない!
家なんかあるか!》


「美咲、帰ろう…もう
大丈夫だよ」


『うん…大丈夫かなぁ…
おじさん、大丈夫?
家まで帰れる?寝ちゃだめよ…送ろうか?家まで
送ろうか?』


《お嬢ちゃん、優しいねぇ…兄ちゃん、帰っていいよ、お嬢ちゃんに送ってもらうから、兄ちゃん帰りな》


『ハハハ…旦那さんよ。私の
旦那さん』


《え〜?お嬢ちゃん、お嫁さん?…へ〜お嫁さん…お兄ちゃんの…》


「そうだよ!俺の嫁さんだよ」


《そうか!兄ちゃん、
いい嫁さんもらったな!
…うん!いい嫁さんだ》


『ありがとう、おじさん…
送って行くから帰ろう、
おじさん』


《いいよ…帰んな…仲よくしろよ、二人共…もう大丈夫だから、俺は…ありがとうな》


確かに、徐々に言葉も
はっきりとしてきたし、
酔いも醒めつつあるようでした。


『うん、わかった!
じゃぁ、私達帰るね…
もう、寝ちゃだめよ…
ようこ奥さんが心配して
待ってるよ』


《待っちゃぁいないよ…
死んだんだから…家で
待ってる奴なんかいねー》

『え〜?!えっ?おじさん
奥さん亡くなったの?
本当?…奥さんの名前…
ようこさんって言うの?』


《お嬢ちゃん、なんで
ようこを知ってるんだよ》

『おじさんが酔っ払って
ようこ、ようこって言ってたのよ…覚えてないの?』


《俺が?…》


「そうだよ、ようこ、ようこって言いながら、俺の嫁さんの足首をつかんで、
離さなかったんだよ」


『あなた…』


《俺が?…お嬢ちゃんの
足をつかんで?》


『おじさん、いいのよ、
気にしないで…夢見てたんだから…』


《悪かったなぁ…
お嬢ちゃん、ごめんな…
俺…迷惑かけたみたいだなぁ…》


『そんなことないわよ…
それより、もう酔いは醒めたの?…』


《あぁ、もう大丈夫だから…すみませんでした》


「そう、じゃぁ俺達、帰る
からね…美咲、帰ろう…」


『…うん……おじさん…
何歳なの?』


《俺かい?…もうすぐ還暦だよ》


『還暦?…60歳?……
父より2つ上なんだ…………じゃぁ帰るね……』


《あぁ…ありがとうな…》

妻は私の腕につかまり、
歩き出したのですが…


『…………………………』

「どうした?気になるの?」

『……ん〜……可愛いそう……なんか、私…だめなのよ…あんな感じの人……
おじさん…家に帰っても
誰もいないのかしら……』

「わからないけど……
お父さんと重なるの?」


『……タイプは違うけど……でも…何かしてあげたくなっちゃう……なんか、
寂しい気持ち……』


「そう……………じゃぁ…もし、おじさんに待ってる家族がいなかったら…家に呼んで、三人で飲み直す?」

『えっ!?えっ〜!?いいの〜本当?ありがとう!あなた…私、聞いて来る!』


そう言うと、妻は走り出しました。私は何か複雑な思いはあったのですが…
美咲の嬉しそうな顔には
勝てませんでした…


先程のベンチの所に、
戻ってみると、
妻とおじさんが、笑いながら話していました。


『あっ!あなたぁ…
山口さん…って言うの、
おじさんの名前…』


「そう…おじさん、家で
飲み直す?…迷惑でなかったら…」


《迷惑なんて…でも、
気持ちだけ、有り難く
もらっておくよ。声かけてくれただけで嬉しいよ》


『だめよ!山口さん…
行こう、遠慮なんかしないで…私達、明日も明後日も休みなんだから、気にしなくていいからさぁ』


「山口さん、明日、仕事?」


《仕事は休みだけど…悪いじゃないか、若い夫婦の家に、俺みたいな、おやじが…いいよ、遠慮しとくよ……邪魔しちゃ悪いよ》


「邪魔は邪魔だけど…ハハハいいから今夜は飲もうよ」

『そうよ、行こう山口さん、何にも無いけど、お酒ならあるから』


《本当にいいのかい?
俺みたいのが行って…俺は田舎者だから、行儀は悪いし、口は悪いし…》


「そんなの、もう知ってるよ、ハハハハ」


『うん!もう知ってる』


《ひでぇなぁー…そんなにひどかったか?悪いなぁ》


「いいから、いいから」


三人で家に向かいながら、
山口さんは、自身の事を話し始めました。


《俺は、秋田の出身で、
中学しか出てねぇんだ…
親父、お袋は町で食堂
やってたが、お袋が、癌で死んで、親父も、もういねぇ…32の時、結婚して息子が
一人いるが、かぁちゃんが死んでからは、あんまり顔を見せねぇ》


『奥さんって、ようこって名前よね?いつ亡くなったの?』


《5年くらい前だ…いきなり死んじゃてよ…ちょっと太ってたからなぁ…
心筋梗塞だ》


『私の父は、くも膜下出血だったの』


《お嬢ちゃんの親父さん
いないのか?》


「美咲が中学の時にね」


《そうかぁ…中学の時…
兄ちゃん、やさしくして
やんなきゃぁ》


『やさしいよ』


《そうかぁ、いいなぁ
可愛がってもらって》


「毎晩可愛がってるよ、
なぁ美咲!」


『馬鹿、なに言ってるのよ、変なこと言わないでよ』


《恥ずかしいことじゃないよ…毎晩かぁ…いいなぁ…俺なんか、母ちゃん死んでからは、センズリだけだ、
ハハハハ》


『センズリ?』


《センズリも知らねぇか》

「ハハハハハハハハ」


『何よ!何?いやらしい事?何?』


「男のオナニ−だよハハハ」


『やだ−もう!』


《仕方ないよ…母ちゃんがいねぇんだから》


『今でも?還暦でしょ?』

「あっ、俺もそれ聞きたい!後学の為に」


《はぁ?馬鹿!還暦でも、
あっちはピンピンだ!
若い時みたいにはいかないがな…》


「へぇ‐そうかぁー
バイアグラなんて要らないんだ…」


《俺の仲間で呑んでる奴もいるがな…母ちゃんがいる奴は、薬呑んでも頑張るよ》


『おじさんは、奥さん…亡くなってからは?』


《ハハハハ…だから、
センズリだって…母ちゃんの写真の前でな、ハハハ…》


《お嬢ちゃん達は結婚してどのくらいなんだ?》


『三年目…』

《あぁ‐いい頃だなぁ…
兄ちゃん、嫁さんだいぶ
覚えてきただろう?》


「えへへ…熟れてきた……かな?」


『馬鹿!…やめてよ』


《いいじゃないか…夫婦
なんだから…なにやってもいいんだよ。俺なんか、
もっと母ちゃん、抱いてやればよかったと思ってるよ…もう遅いけどな…》


『ようこさん、愛してたんだ…』


《いなくなって、思っても、遅いけどな》


『母と反対…父が亡くなって、よく泣いてた…私も』


《亡くなると、良いときの想い出しか、思い出さないからなぁ…若い時なら、
なおさらだ…》


「おじさん…若い時、どうだったの?」


《俺なんか学がねぇから、働くだけだ…働いて、酒
喰らって…今でもおんなじだなぁ…ハハハハ》


『おじさん、あそこが私達の家…』


《え−!一軒家じゃねぇか!すげぇなぁ…兄ちゃんが
建てたのか?》


「親父に金借りて、美咲のお母さんにも借りて、後はローンだよ」


《若いのにすげぇなぁ…》

父親を亡くした美咲は、
どうも、山口さんと父親を重ね合わせていたようでした。


そして、この事が、山口さんと私達夫婦の係わりの、
始まりでもありました。


今にして思えば…この
山口さんの風貌…話し方…生い立ち…心情…すべてが妻・美咲の【琴線】に
触れたのです。

[Res: 42394] Re: 妻の琴線  投稿日:2009/05/18 (月) 20:51
ここまでは、優しく出来たいい奥さんですね。
続きをお願いします。

[Res: 42394] Re: 妻の琴線 さむ 投稿日:2009/05/19 (火) 23:22
次回は確信に迫ってくるのでしょうか
期待してます

[Res: 42394] Re: 妻の琴線 眠れない 投稿日:2009/05/20 (水) 02:19
どうなるのか続きが楽しみです!

[Res: 42394] Re: 妻の琴線 更新 投稿日:2009/05/21 (木) 01:53
お待ちしてます。