過去ログ[40] |
---|
[30384] 魔性【番外編24】 樹氷 投稿日:2008/04/07 (月) 16:38 マンションの自宅玄関に居たのは帰宅した妻では無く、あの明美だったのだ!!。
玄関に立つ明美の指先には見覚えのある妻のキーホルダー。 [何故、明美がここに居るのだ? そして…何故、妻のキーホルダーをコイツが持っているのだ?] 一連の流れから来る、折れて萎れかけていた私の気持ちが、瞬時にして怒りと不信の根元である明美の登場により息を吹き返した。 疑念と不安からの酸欠状態で思考が鈍くなっていた脳にも、熱い血が巡り、本来の自分が甦りつつあった。 狭い玄関が緊張に包まれている。 触れるだけで、破裂してしまうような空気‥。 明美は、自分を刺すように睨み据える私の目を見て、そしてこの狭い空間に流れるただならぬ雰囲気を感じて、その悪意に満ちた瞳を俯いて、まるで何かをごまかすように視線を玄関の床に落とした。 私は怒りを押し殺すように‥、小刻みに奮える指を握りしめて、声を絞り出した。 「何でオドレがウチの奴のキーホルダーを持ってるんや? 何で…勝手に鍵開けて、ウチの中に入って来てるんや? 何か盗む気やったんかい? オドレのしている事は犯罪やで…。 いかなる理由があろうが不法侵入やないか… やり過ぎやろ?やり過ぎたな…。 」 私はポケットの中に入れた携帯電話を取り出した。 そして努めて冷静に言った‥ 「警察に電話させて貰うワ。 不法侵入と窃盗や‥。」 俯いていた顔を上げて、慌てふためく明美。 「な‥な‥何で警察なん? 不法侵入‥窃盗って何やの? このキーホルダーはアンタの奥さんがウチに渡してくれたもんなんやで!ウチは凹んだアンタを見に来ただけや!! 嘲笑いに来ただけなんや!!」 私は冷めた表情で明美を追い詰めるように言った。 「言い訳は、お巡りさんにしてもらおか。 オドレは越えてはならん線を越えてもうたんや‥キチッと警察にお灸を据えて貰うワ… 」 昨夜からの出来事は明美にとって満足の行く事だったのだろう。 積年の歪みきった理不尽なまでの想い‥。 りょう氏と共に描いた狡猾な絵。 その絵は、明美にとっては何度となく下書きをし、事細かな色彩までを思い巡らせた物だったのだろう。 その絵が、ついに完成する!! 明美にとっては疑う事などなかったのだろう‥ しかしそこに油断が生じたのだ。 非日常ではアリでも、日常では決して犯してはならない一線。 糸口は見えた…。 [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 樹氷 投稿日:2008/04/07 (月) 18:07 そう明美は優位に最後まで事を進めれる筈だったのだ。
しかし明美は、明らかな失敗を犯したのだ。 明美は、私が還らぬ妻を想いながらDVDを見て絶望の淵で苦しむ姿を想像して、リアルに、そう、実際に間近でその姿を体感したかったのだろう。 それが非日常と日常の区別をつかなくさせたのだ、そう[何でもアリだと]。 私は、これみよがしに携帯電話を明美に見せながら[110]とボタンをプッシュして、発信を押す動作をして見せた。 そして[もしもし‥]と話しながら身を翻して死角を作り、呼び出し音が鳴る前に明美に悟られぬように電話を切った。 「止めて!止めてぇな!」 明美の懇願するような叫び声が響いた。 あからさまに動揺している。 私は白々しく受話口を手で塞ぎながら振り返った。 明美は顔を紅潮させて、額からは冷や汗?を滲ませ、焦りからなのか、訴えるようにその目をいっぱいに見開いて携帯を手にする私を見ていた。 「何で止めなアカンのや? 悪い事をした奴を警察に突き出すのは当たり前やないかい? 勢いで何でも許される思うたんかい? 」 「そ‥そんな事したら、そないな事したらアンタの奥さん帰って来いへんようになるで‥ 何処に居るか知りたいんやろ? どないになってるんか心配なんやろ?」 そりゃあ、確かに心配だ。 一夜にしての妻の変貌と理不尽なまでの行動。 私の理解を超える出来事の数々‥。 直接、妻と膝を交えて、向き合って問い質したい。 答えの見えない不安を、拭い切れない不信を払拭したい!! だからこそ今ここで明美を優位なポジションにする訳には行かない。 こんな事からでも明美を追い詰めて、首根っこを押さえ込まなくてはならないのだ‥、妻に会う為に、妻の所在を確かめる為に‥、そして真実を知る為に。 「フンっ‥じゃあ捜索願いでも出すわ。 昨日からのムナクソ悪いこの展開や、もう全部ブチ壊してもエェわ。 けどな‥オドレを許す気持ちなんて微塵も湧いてこん。 ワシもある事、無い事ブチ撒けてオドレを警察に突き出すわい!」 明美はその言葉を受け、眉間に深い皺を寄せながら私の真意を諮るように私を見詰め続けた。 私はひたすら無表情を装い、そして再び携帯のプッシュを押す動作を取った。 「止めて‥止めてぇな!分かった‥分かったさかい、何でも話すよって‥」 [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/04/07 (月) 18:52 ずっと読んでいるのですが、ここの所あまりの衝撃的な場面の連続で息をつくのもしんどく、レスを書くどころではありませんでした。今回は落ち着いて読めました、、また驚天動地の展開があると思います。
そこでは静かに読むだけにさせていただきます。それにしてもすごい体験です、読んでいると手が震えしばらく家事も手がつきません、でも魔性から離れることはできません。 [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 樹氷 投稿日:2008/04/07 (月) 19:37 懇願するような明美の言葉。
明美のあまりにも[警察]の言葉に対する過敏過ぎる程の反応。 恐らく、後ろに手が回るような後ろ暗い事があるのではないのだろうか?‥。 無言のままで、無表情のままで私は明美を見据えていた。 私を見詰め返す、明美の視線が、この重苦しさに耐え切れないとばかりに泳ぎ始めた。 私は頃合いと感じて 「じゃあ洗いざらい話して貰おうかい? 警察に突き出すかどうかはオドレの話を聞いてからや。 上がれや。」 私はそう言って明美を促した。 押し黙り身じろぎしない明美。 「どないしたんや? 早よ上がれや!」 若干の苛立ちを覚えた私は、言葉に冷たい剣があった。 「コレ脱がんで上がらせて貰うたらアカンやろか? ちょっと訳アリなんや‥」 困った表情をしながら、明美はコートの裾から覗く黒色のブーツを指指した。 理由も意味も分からぬ私はキツイ口調で 「靴ぐらい脱いで上がるのが当たり前やないかい!アホか? 一体 何なんや?」 それでも押し黙り続ける明美。 普段の私であれば軽口でも言いながらといった場面なのだが、この状況ではそんな気持ちのゆとりも無かった。 私は明美からの妻の情報を一刻も早く聞きたい気持ちに駆られ、「チッ‥ッ‥」と舌打ちして洗面所から濡れたタオルを持って来て靴底を綺麗に拭くように促した。 [このブーツが何なん?] 当然のように気になって仕方無かったが、この時の私には優先順位外の事であった。 玄関先に座りながらノロノロとブーツの靴底を拭く明美。 やがてブーツの靴底を綺麗に拭き取った明美は、私の後に付いてリビングに入って来た。 キョロキョロと室内を興味深げに見回す明美を私はソファーに座るように促した。 緊張した表情でソファーに座る明美。 「オドレは客や無いんやから茶は出さへんで。」 明美は、ご機嫌伺いでもするように「ウチが入れよか?」と腰を上げかけた。 私は手で遮るようにして 「余計な事はせんでエェわい。 で‥どないなっとるんや? 何でオドレがウチの奴のキーホルダーを持ってるねん?」 明美はソファーに前屈みで両足を抱え込むようにして座りながら上目使いで口を開いた。 「DVDは見たん?」 「あぁ‥一枚目はさっき見たわ。」 明美は「フゥーッ…」っと、軽い溜息を漏らしながら 「何や?まだ全部見て無いんか?」 [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 SH 投稿日:2008/04/07 (月) 21:45 いつのまにか魔性ワールドに引き込まれてしまった………
続きを! お願いします!! [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 樹氷 投稿日:2008/04/07 (月) 22:41 「何や…まだ全部見て無いんや?」
私は明美の言葉に 「あぁ、二枚目を見ようとした時にオドレが来たんやないかい。」 「あのな‥アレを見て貰ろうてからの方が、ウチ話し易いわ…」 「分かったワ。 じゃあ今見るさかい、知ってる事は全部話せや?適当な事言うようやったら…」 と、私は携帯を手にして見せ、私が明美に対して[本気でやるよ]と暗示させたのだった。 先程まで一人でDVDを見ていた時に感じられた押し潰されるような重苦しさは無かったが、肛門から背中にかけての痺れるような緊張感が私を覆っていた。 私は[NO2]と書かれたディスクを手にしてレコーダーに入れた。 そしてリモコンの再生ボタンを押した。 映し出された映像。 いきなり恰幅の良い30代後半ぐらいの髭の男が映し出された。 男は蛍光オレンジのビキニタイプのパンツ一枚の姿だった。 カメラのアングルが急に真横に振られた。 そこには何と、椅子に座り佇む明美が映っていたのだ。 [やはりこいつらは一緒に居たのだ。] 次にカメラはボンデージ姿の妻を捉えた。 妻の顔がズームアップされた。 妻の目は私が初めて見るような残忍さを帯びて妖しく光っている。 カメラを手にしている、りょう氏の「さぁ始めてや」の言葉が合図だった。 ボンデージ姿の妻がベッドの縁に腰掛けた。 無音の映像の中で、妻が体重を預けたマットの[ギィッ‥ッ‥]と軋む音が響いた。 その姿にフラフラと吸い込まれる様に引き寄せられて膝まづく髭の男。 男の顔が、妻の淫靡で妖艶なボンデージから生えた黒光りしかディルドに近付いた。 次の瞬間 男は音を立ててディルドをシャブリ出した。 [ングッ‥ッ‥ングッ‥ッ‥ジュルッ‥ッ‥ングッ‥ッ ] 嫌悪感に満ち、見るに耐えない映像が続いた。 カメラは妻が両腕で男の後頭部を抱える様にして揺らし続ける姿を捉えた。 その恍惚とした表情を。 そこに映し出された、その姿は何か得体の知れない物に取り憑かれているようでもあった。 映像が一瞬途切れて、場面が変わった。 髭の男がベッドでカメラの方向に尻を突き出して四つん這いになっている姿が映し出された。 カメラを持つ、りょう氏の笑い声。 ズームアップされる髭の男のアナル。 吐きそうだ‥。 ディルドを握り締める黒いグローブを嵌めた妻の腕が映し出された‥ [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 樹氷 投稿日:2008/04/08 (火) 02:25 目を覆いたくなるような映像。
この時に見た事は、忘れようとしても後々まで瞼の裏側に焼き付いて離れなかった。 肘までのロンググローブを嵌めた状態の左手でローションの瓶を掴み、上からトローリと細く糸を引くように右手の掌に垂らして行く妻。 作為的なのだろうか? 映像からは音声は聞こえて来ない。 自然と見る者を強張らせるように張り詰めた緊張感…。 妻がローションに塗れた掌を、ゆっくり、ゆっくりと四つん這いになった髭の男のアナルに近付けて行く。 そして、ロンググローブに包まれた人差し指と中指をアナルにスーッ‥と伸ばした。 バネ仕掛けの人形のようにビックッ‥ビックッ‥と反応する髭の男。 四つん這いの股間から垣間見える逸物は、この後に始まる事に対する期待と興奮で抑え切れ無くなって、はち切れんばかりになっていた。 妻の指先がリズミカルに動き、ローションを塗り込めている。 妻はもう一度、ローションの瓶を手にして、今度は左手の掌にトローリ‥トロトロ‥と垂らした。 そのローションに塗れた左手をボンデージの股間から生えたディルドに持って行き、それをシゴキ上げるように、ニュルリ‥ニュルリ‥と塗り込めている。 カメラが妻の表情を捉えた。 映し出された妻の表情。 それは日常での優しさを湛えた女性的な物では無く、明らかに男顔に、野性味溢れた生気溢れる表情へと豹変していた。 アングルが変わり、カメラは、妻のブーツに包まれた脚元を映した。 そのなまめかしい脚が力強い踏み込みで一歩、二歩と前に進んだ。 無音の世界であるのに、映像からは妻の履くブーツの踵から音が響いて伝わるような錯覚に襲われてた。 妻の左手が、四つん這いになっている髭の男の左臀部を押さえるようにして掴み、右手で握り締めたディルドを髭の男のアナルに押し当てた。 妻の動きが止まった。 [どうした?‥] 嫌悪感で映像を見ていた筈の私だったが、いつの間にか、その無音の世界で繰り広げられる映像の中身を食い入るように見てしまっていたのだ。 動きを止めた妻。 見ていた私も、そして同時に明美までもが、動きを止めた妻に合わせるように呼吸をする事すら止めてしまった。 それ程の緊張感が映像から伝わって来たのだ。 それは僅か数秒の事だったのかも知れない。 薄い硝子玉が弾け割れるような錯覚の中で妻の腰がグイッと動いた。 [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 樹氷 投稿日:2008/04/08 (火) 06:14 無音の映像の中で繰り広げられる倒錯の世界。
妻のディルドは根元深くまで、髭の男を貫いていた。 ゆるやかに、ゆるやかに腰を打ち込む妻の姿。 レンズが照らす妻の表情は目が据わり、うっすらと額から汗が滲み、勝ち誇るように顎を突き出すようしながら、その艶やかに朱く塗られたポッテリとした唇を半開きに開けていた。 時の流れを感じさせる事無く、何かに憑かれたように緩やかだった腰の動きをリズミカルに変え、そのディルドを出し入れする妻。 その股間に生えた黒光りしたディルドは、妻が生まれ落ちた瞬間から、その肉体の一部であったのように違和感無く、リズミカルかつスムーズな動きで責め続けた。 それは、何百もの相手を官能の世界へと誘い続けた性の凶器であるような錯覚に陥ってしまう程だった。 リズミカルに腰を打ち突けながら妻の右手が髭の男の下腹部に伸びた。 その右手は髭の男のガチガチに勃起したペニスを掴み、シゴキ上げている。 先程まで映し出されていた妻の表情と、この場面で映し出されている妻の表情が変わった。 男顔で戦闘的であった物が、目元をほんのりと染め、憂いを帯びた牝の表情へと変化していた。 考えてみれは妻のヴァギナにはボンデージの股間部位の裏地クロッチ部分に装着されたリアルな極太なディルドが雌芯奥深くに突き刺さっているのだ。 妻が激しく腰を打ち突ける度に、連動するように自身のヴァギナの中で、そのディルドも暴れているのだ。 妻の腰の動きと、髭の男のペニスをシゴく妻の右手の動きが加速した。 実際それは何度思い返しても不思議な光景であった。 妻のボンデージに装着されたそのディルドに‥髭の男のアヌスに突き刺さっているそのディルドに‥、まるで生身のペニスであるが如くに、血が通い、神経が通い、快感が脳に伝わる中で、その射精に至る道標を、その快感を辿る道標を知っていなければ出来ようの無い絶頂に向かう腰使いだったのだ。 無音の映像の中で、ビクッ‥ッ‥ビックッ‥と髭の男が痙攣し、勢い良くシーツに精子が飛び散る様がズームアップされ、首筋と背中から大量の汗を滲ませた妻が何やら大声で髭の男を激しく罵っているような姿が映し出された。 妻は目を吊り上げて顔を紅潮させている。 妻は髭の男の尻を左右の手で力任せにドンッと、押し突けるようにして、アヌスから黒光りしたディルドを、ズルリッ‥ッ‥と引き抜いた。 [Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 圭 投稿日:2008/04/08 (火) 09:08 たまりません!僕も奥様に支配されたいです…
[Res: 30384] Re: 魔性【番外編24】 ぽっちょマン 投稿日:2008/04/08 (火) 13:20 あまりの傑作に声を失ってしまいます。
このサイト史上最高の作品では? |