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[28922] 魔性【番外編L】 樹氷 投稿日:2008/02/16 (土) 14:32
それぞれの思惑が重なり合う【Z】のラウンジは女性達の醸し出す牝のフェロモンが居並ぶ11名の男達の理性を壊し始めていた。

誰ともなく

【ゲームをやろう。王様ゲーム!!】

の声が出て、この場の雰囲気と、程良く回るアルコールが皆を躊躇無く王様ゲームに参加させた。
その時に後ろのソファーに陣取る仲間なのであろうか?彼らに合図を送りながら一人の体格の良い30代半ばぐらいの男性が、「失礼します…仲間に入れて下さい…」と、にこやかにお辞儀をしながら入って来た。

同時に、ラウンジの入口から背を向けていた、しのさんと、妻が【何?誰が来たの?】とばかりに振り返った。

しのさんも、この男と知り合いなのであろう。
何やら怪し気に目で合図を送り合っていた。

そして、同時に振り返って男を見た妻の表情が強張り、そして固まった。
明らかに動揺して俯いている…

横目で、その妻の動揺する姿を真紅のルージュで染めた口元を歪めながら見る、しのさん…

[何なんだ?妻の知り合い?…しのさんの友達を妻も知っているのか??一体、誰なんだ?…]

私の心に重く暗い影が過ぎった。

首から下げたネームプレートには【りょう】の名前。

【りょう?りょう?…誰だろう?…】

私は、この時に肝心な事を思い出せないでいたのだ。
妻と、しのさんの共通の知り合い…この事に気を取られ記憶の中に在った筈の【りょう】の名前を思い出せなかったのだ。
しのさんの私に対する悪意を念頭に考えれば、可能性の網をもっと広げて、すぐにでも気付く筈なのに…

俯いている妻の顔色が心持ち青ざめている。

しかし、テンションの上がったこの空間の人々はそんな事に気を止める様子も無い…

「さぁ皆さん始めましょうか!!」

40代ぐらいの[カメさん]と書いたネームプレートを下げた元気の良い男性が、箸立てに入れられた人数分のくじを持って中央に立った。

そして、皆にナンバーを書いたカードが配られた。

異様な熱気に包まれ出した【Z】のラウンジスペース…
その熱気には、あらゆる欲求が入り乱れ…どす黒い悪意までもが隠されていたのだ…

後戻り出来ない状況の中で、それは始まってしまった。

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 樹氷 投稿日:2008/02/16 (土) 16:46
王様ゲームが始まった。いつの間にか進行役のようになっている【カメさん】と書かれたネームプレートを下げた男性が、皆にくじを引かせて回っている。

「当たったぁ!」

【なみ】と書かれたネームプレートを下げた、ピンク色のナース服にコスプレした20代半ばの可愛いらしい女性が歓声を上げた。

「じゃあ…B番とH番が下着一枚になってぇ、キス!」

意地悪そうに笑う【なみ】さん。

皆、自分のカードを恐る恐る確認する。

「えっ?B番?俺やわぁ…」と誰が相手なんだとキョロキョロと確認する、おでこを脂っこく光らせた30代の禿上がった男性。

その場に居る全ての人間が、[相手は誰?]ばかり周囲を伺っている。
何しろ相手が女性になる保証なんて無いのだ。
4:1の割合で男の方が多いのだから…

「えぇ〜俺やわぁ…何でやねん…」

顔をしかめて自分のカードを見せたのは、進行役として盛り上げてくれていた【カメさん】であった。

割れんばかりの拍手を受けて逃げ場を無くされた二人は、[成るように成れ]とばかりに覚悟を決めてパンツ一枚になり、抱き合い、顔を引き攣らせながらキスをした。

妻を含めた全員が腹を抱えて大笑いし、場の雰囲気が一気に和んだ。
パンツ一枚のままの【カメさん】が口を拭いながら、「さぁ次…次行きましょう。前座は終わり〜」と、再びカードを集めて配り直し、くじを回した。

やがて「ワシやわぁ… 」 の声。

手を挙げてくじの先端に塗られた赤い目印を見せたのは西島氏であった。
「う〜む…パンツ一枚になってA番がK番の乳首を舐める…あっ…二人共にパンツ一枚やデ…」

周囲を見渡し、ニヤニヤと慢心の笑顔で命令?する王様である西島氏。

先程の男同士の絡みがあっただけに全員が自分のカードを見ながら、周囲を見渡している。

「ウチやわぁ…K番。
当たってもうた… 」

その言葉の主は【しのさん】であった。

「うおぉぉ…」

誰ともなく叫ぶ声と共に男達全員が欲望の目をしのさんに向けた。

皆が自分のカードに目を落として番号を確認する…無論、私も…

「グッ……A番?えっ…A番… 」

A番を持っていたのは私だったのだ…

よりによって、しのさんの相手が私だとは…

私は、手を挙げてA番を持っている事が言えないでいた。

「誰や?誰?勿体つけんと、早よ、誰や?」

本当に勘弁して欲しい…

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 こおじ 投稿日:2008/02/16 (土) 17:59
自分自身がその場に居るような錯覚に陥りますね。ほんと引き込まれていきます。続き待ってます。

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 樹氷 投稿日:2008/02/16 (土) 19:35
「おいおい…一体誰や?それとも、女の子に当たってしもうたんかい?」
西島氏はラウンジに座る皆を見回しながら困り果てたような顔をしている。

[…… 参ったな…もう仕方ない…」

私は斜め前に座る妻をチラッと見て、ノロノロとA番と刻まれたカードを挙げた。

「何や、アンタだったんかいナ」

呆れ顔の西島氏の言葉を聞くなり、私を見るしのさんの目が大きく見開き、妖しく光った。

と同時に自分の男遊びはさておき、亭主のこの手の遊びには免疫の無い妻は明らかに困惑の表情で私を見詰め、交互にしのさんの顔をも伺った。

しのさんは、そんな妻の視線を無視するように私に意味あり気な合図を送って来た。

周りからは、囃し立てるような大きな歓声と拍手が沸き起こっている。

しのさんはラウンジの中央で体の線がはっきりと浮き上がる黒色のマイクロミニのワンピースを着たままで、私が来るのを待ち構えていた。

ノーブラで体にフィットするワンピースを身に着けている為にワンピースのバスト部分からは左右にクッキリと乳首の突起が浮かんでいる…。

私も、この場の逃げようの無い雰囲気の中、覚悟を決めてしのさんの待つラウンジ中央に向かった。

しのさんは、皆を見回して、真紅のルージュを塗った唇に人差し指を当て、その引き締まったヒップを突き出すようにして[もう少し静かにね]とでも言いたげにして、おもむろにワンピースをたくし上げて脱ぎ捨てて、黒いTバック一枚になった。
その姿に男女問わずに、ため息にも似た歓声が漏れた。

しのさんは、そのセクシー窮まりない姿のままで腰をいやらしくクネらせながら私の首に手を回し周りに聞こえぬように囁いた。

「私の好きなようにさせて… じゃないとメチャクチャにするよ?
エェな?」と

私の耳に熱い吐息をかけながら囁くしのさん。

私は[ギクリっ!]としながら過去の負い目と、妻に何かされては敵わないとの思いで、しのさんの申し出を拒否する事も出来ずに立ち尽くしていた。

やがてしのさんは、皆の見てる前で、まるでポールダンスでもするかのように、私の体に纏わり付きながら器用に私のベルトを外しズボンを脱がせ、シャツのボタンも外し、私をTシャツとボクサーパンツ姿にしてしまった。

ラウンジ内は、ヤンヤの歓声に包まれて異様な盛り上がりになってしまっている…

私は妻の目が気になり、辛い表情のまま顔色を伺った…

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 イク 投稿日:2008/02/17 (日) 15:16
しのさん りょう氏 奥様 そして、樹氷さん・・・復讐が始まるのか?
「性奴隷」は「誰に・・・」なるのか?

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/02/17 (日) 17:07
 この後どうなるのか、テレビドラマの続きよりも気になります。

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 じゅん 投稿日:2008/02/17 (日) 23:00
樹氷さん御自身の成り行きが気になっていましたが、奥様の心中も気になりますね〜。
そして新しい登場人物。
これ以上すごいことが起こってしまうんでしょうか?

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 樹氷 投稿日:2008/02/17 (日) 23:32
皆様、お騒がせしてしまいました。

管理人様、及び愛読者の皆様のおかげで無事解決しましたので、投稿を再開したいと思います。

不愉快な思いをされた皆様、申し訳ありませんでした。

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 いぃ☆ 投稿日:2008/02/18 (月) 00:12
いよいよですね!! いつも楽しみに待っているのでがんばってください!!

[Res: 28922] Re: 魔性【番外編L】 絶望 投稿日:2008/02/18 (月) 00:45
よかったです打ち切りにならなくて!陰ながら応援してます