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[28579] 魔性【番外編E】 樹氷 投稿日:2008/02/06 (水) 13:02
「今夜はワシもアンタも傍観者や…」

私は逸る気持ちを抑えながら、西島氏の言葉に頷いた。

「そう、そう…今回アンタの嫁ハンのボンデージ、エライ凝ったモンにしたらしいやないかい?
山田が言うとったデ。
作るの大変やったてナ。」

「そうなんですワ…ウチのが海外のボンデージファッションのサイトから気に入ったデザインを数点選んで山田君の所へ行って採寸し直して、素材から、細かい事から、アイツの好み通りに作って貰ったんですワ…
山田君に[エライエグいモン出来けたデ。これじゃ採算合わへんワ…]って、ぼやかれましたデ。」

西島氏は好色そうな目で「ほぉ〜ぉ…そら凄いナ‥前回のタイプよりエェモン出来たんやろな?さぞ似合ってるんやろな?」

「それがですな、ワシまだ見てまへんのや…
ちょうど今回のハプニングバー行きの事が決まる前後で完成したもんやから、ウチの奴、[当日見てのお楽しみやデ]なんてニヤつきながら吐かしよりまして…
まったく、誰が一体あないに高い銭払うとる思ってるんやろか?」

私は、苦笑いしながら話した。

「なら、益々、今夜は楽しみ尽くしやないかい?ワシはアンタより、その新作ボンデージの件は情報持ってるんやで。
山田から色々と海外から引っ張ってくれ頼まれて調達したんやからナ。」と、悪戯っぽい笑顔を私に向けた。

「えっ?何を頼まれたんでっか?」

「そら例のリアルなディルドを含め、この辺りじゃ用意出来んモンだらけやろ?想像してみぃな…なっ…分かるやろ?」

私は今回のボンデージに装備された様々なモノを想像しながら頷いた。


やがてママさんがラウンジスペースから戻って来た。

「奥様、大分緊張が解れてきて…楽しそうに皆さんと話してますよ…
気に入った相手が決まったら、私の所に来て伝えてくれる段取りになってるんで…そして私の方から相手の男性に[選ばれた事]を伝えるようにしてます。」

西島氏が「梃子になってくれる女性は、もう来てるんかいな?」と尋ねると、ママさんは

「さっき電話があって、もう少し時間がかかるって連絡ありましたわ。
家庭持ってる女性やから仕方無い思うわ。
だからもう少し待ってて下さいね」

「あっ…そうそう…これでも見て時間潰していて下さいナ。
特別な常連さんにしか見せないモンやけど…」とママさんは、カウンター奥から一冊のアルバムを取り出し私達に差し出した。

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 樹氷 投稿日:2008/02/06 (水) 15:26
ラウンジスペースからは妻を交えての賑やかな談笑が洩れている。

しかし、事が始まるまでは暫く時間がかかりそうだ。

私と西島氏はママさんから手渡された《特別なアルバム》を見ていた。

驚く程にエロティックで官能的で刺激溢れる写真が整然と並べられていた。

それは前回に下見に来た折りに見せて戴いた写真の数々より、明らかにクオリティの高い物だった。

【数人の男から穴という穴に怒張した逸物を差し込まれ、苦悶の表情を浮かべる女性の姿】

【SMルームで肉感的な美しい女性がボンデージを身に纏い‥貧相な体型の男を縛り上げ、ピンヒールの踵ど勃起したペニスを踏みにじる姿】

【肉に食い込むぐらいに縄で縛り上げられた女性が、吊り上げられ苦悶と快楽の入り混じる表情をし、好色そうな男達に囲まれた姿】

【3対3で男女が絡み合う乱交プレイ】

【巨根がバックからヴァギナを押し拡げて、その巨大さにアナルの皺までが伸びてしまっている局部のアップされた写真】
【様々なコスチュームを楽しむ女性達の姿etc‥】

どれもこれも素晴らしいコレクションだった。

そして‥アルバムの残り枚数が少なくなったその時に私のアルバムをめくる手が止まり、凍り付いたようになってしまった。
そ一枚の写真が貼られていた。

綺麗にV字型に刈り揃えられた恥毛‥発達したラビア‥縦長な陰裂からは大量の愛液が溢れ流れている。
そして何よりも私の目を引かせたのはクリフットに施された【3連のピアス】であった。

[ピンクゴールドの3連ピアス‥クリフットに大きいピアス、そしてその中側に中サイズのピアス、その中に更に小さいピアスが3連になりヴァギナの猥褻さを際立たせている…]

私は思い出していた。
忘れ去っていた遠く忌ま忌ましい過去。

妻と知り合う以前に便利に使っていた[ヤルだけの女]の事を。

当時の私には複数の遊び相手が居た。
その中の一人の女性…
20台前半の目立たないタイプのその女性は、容姿はお世辞にも良いとは言え無かったが体だけは抜群に肉感的であった。
何でも言う事を聞く都合の良い女。
私は当時から自分のペニスにコンプレックスを抱いていた。
その女性とのセックスでも自分のサイズを棚に上げ、言い易いが為に数々の暴言、侮蔑的な言葉を彼女にぶつけ、自分のストレス、欲求のはけ口にしてしまっていたのだった。

朧げな記憶が徐々に覚醒されていた…

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 イク 投稿日:2008/02/06 (水) 16:45
その過去の女性が・・・樹氷さんの今後を天国へと誘うのか? 地獄へと導くのか?
奥様が「そこに絡んで」・・・おま○こマシーンへと進化するのか?? 興味シンシンです。。

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 鴻一郎 投稿日:2008/02/06 (水) 16:53
まったく素晴らしい読み物です。

毎日読むのが楽しみです。

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 樹氷 投稿日:2008/02/06 (水) 17:14
そう…かつて便利に使っていた[ヤル為だけの女]
そんな彼女に吐いた暴言の数々…

【お前…可愛く無いんやしアソコも緩いんとちゃうか?】

【何や…ガバガバやんか?】

そんな酷い言葉にもメゲずにいつも明るく私に嫌われまいと振る舞っていた。
デートといっても、オシャレなスポットに行く訳でも無く、一人暮らしのそいつの部屋へ行き、好き勝手にやりたいようやっていた私。

そして妻と知り合い、女性関係を、ある程度精算せねばならくなって、1番最初に切った女。

ラブホテルで別れ話を切り出し、泣いてすがる彼女が「何でもするから…何でも言う事を聞くから…だから棄てないで…」
その言葉に面倒臭くなった私は、彼女が絶対にやる筈の無い事を言って諦めさせようと思い、当時見た裏ビデオの中にあった[ヴァギナにピアスをした女性]を思い出して言った。

「じゃあ次に会う時までに、アソコにピアスしてこいや…だったら考え直してもエエ…
この間一緒に見た裏ビデオにあったやろ?
同じようにしてこいや。分かったナ…」と彼女のクリフットの皮を摘んだ。

表情を固くして、悲しげ目をしながら

「えっ… そんな…出来る訳無いやん… 」

「無理か?…ならエエでこれで終わりや…」

私は彼女を置き去りにしてラブホテルを出た。

それから数日は後ろめたさと罪悪感に苛まれたが、新しい恋の楽しさがそれを忘れさせた。

しかし終わってはいなかった。

10日程が過ぎた頃に電話連絡が入ったのだ。

私は煩わしさを隠さずに受話器を握っていた。

「何なんや…もう終わってる筈やで 」

「何言うてるん?終わってないで。
アンタに言われた通りにピアスしたんや…」

今度は私が絶句する番だった。

「えっ…嘘やろ?…」

「ホンマや。後で見て確認してや。」

「わ‥分かったワ…」

彼女の声が、普段の弱々しい声ではなく、何やら自信に満ちた様に感じさせる声色が私を不安にさせた。

その夜、私達は会っていた。

ラブホテルのバスルームからバスタオルを体に巻いて出てきた彼女を、私はベッドに押し倒して、タオルを剥ぎ取った。

ウァギナには痛々しさの中で、綺麗に輝くピンクゴールドの3連ピアスが施されていた。

そのピアスを食い入るように見詰め、固まる私に彼女は言った。

「メッチャ痛かったけどこれでアンタと別れないで済むなら安いモンや。」

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/02/06 (水) 18:14
 心臓の鼓動が治まりません。自分がその場にいる気持になります。私たち夫婦は今過渡期なのかもしれません。スワッピングやSM、露出などをしていますが夫は何か割り切れていないようです。魔性の妻と夫のようになれるのが理想かもしれません。夫にもこれを読むように言いました、私のレスを見てどう感じるのでしょうか。

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 樹氷 投稿日:2008/02/06 (水) 18:20
私はヴァギナのクリフットに輝くピンクゴールドの3連ピアスを見詰めたままて彼女の言葉を聞いていた。

「コレ着けて初めてアンタの女として認められたような気がしているんや‥」

確かに、お世辞にも可愛いいとも言えない顔が自信に満ちた顔になり、数日前とは一変している。
[おいおい…勘弁してくれよ…本気でするかよ?ピアスなんて?…このままじゃ完全に取り憑かれてしまう…]

私は彼女の一途さに恐怖感を覚えた。

私が彼女と離別したい一心で安易に言った一言が、収拾のつかない流れに突き進み始めていた…

この時、私の中で大切な女性は、当然、現在の妻である由香利だったのだ。

私は、コイツの存在が疎ましかった。今、考えれば酷い事なのだが、私は身勝手極まりない悪魔と化した。


ヴァギナのピアスを見て固まる私を、満足気に見つめる彼女に私は言った。

「あのな…ピアスしろ言うたのは、お前と本気で別れたいが為の口実や…ワシは面食いなんやデ。お前みたいなブスじゃ無理なんや。お前はただヤリたい時だけの為の女や!!」

私の豹変した態度と言葉に絶句した彼女は、唇をワナワナと震わせ、その瞳からは涙がボロボロと零れ落ち始めていた。

「ヒドイ…ヒド過ぎや…誰の為に恥ずかしい思いまでして、こんなモン付けたと思うてるん?
ブス?ブスかて心はあるんやで。
よくも‥よくもそんな酷い事を…
絶対に許さへん!!
絶対にアンタを見返したる!
覚えとき!!」

彼女は無造作に着て来た服を羽織り、私を般若と見紛う表情で一瞥し、ラブホテルを出て行った…

それからの10数年間、彼女とはリンクする事は無かった…
やがて私は彼女の事も、当時の自分の身勝手さも、その惨たらしい行為も、それらの事全てを都合良く忘れ去ってしまっていた。

しかし今、【Z】のカウンターで見るアルバムに貼られた一枚の写真が忘れていた記憶を‥思いを‥鮮明に思い出させようとしていた‥

単なる人違い‥否、ピアス違いかも知れない‥

しかし私の直感は、あの写真がアイツである事を告げている。


果たしてここの常連客なのだろうか?

もやもやとドス黒い、嫌な予感が私を覆い始めていた。

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 桃子◆momoK2 投稿日:2008/02/06 (水) 18:37
 怒涛のアップありがとうございます、今日はお仕事がお休みなので自宅で見ています。下の番外編Dをずっと見ていましたら、こちらにアップがありました。ドキドキする展開で樹氷さんの投稿は読み終えるとすぐに次が読みたくなります。

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 カメ吉◆Y9dFJs 投稿日:2008/02/06 (水) 21:31

出たぁ〜 過去の女の怨念恐るべし・・・・。他人事とは思えない。(==;)

[Res: 28579] Re: 魔性【番外編E】 じゅん 投稿日:2008/02/06 (水) 22:00
樹氷さんもすみにおけませんね〜。
これで奥様含め性の深淵に2人の女性を引きずり込んだことになりますね。
不謹慎ながらこの後、樹氷さんに襲い掛かる惨劇に期待してしまいます。