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バーベキュー大会はかなり大掛かりなものでした。ファミリー企業の頂点に君臨する会長の所有する別荘で行われたのですが、その別荘は海のすぐ近くにあり、目の前の砂浜を自分の庭のようにして海水浴ができるようなところでした。
例年夏のバーベキュー大会と、秋の職員旅行は恒例行事になっており、今年のバーベキュー大会にはファミリー企業の役職員５０名程が出席し盛大に行われました。

５０名のなかで女性は私の妻を含めて約１割の５名程度で、妻が一番年配のようで、後は茶髪の若い女性ばかりでした。
バーベキューが始まると、さすがに主婦である妻は手際よく肉や野菜を焼いたり、アルコールを切らさないように周りに気配りをしてテキパキと動いていました。

真夏の暑い日でしたので、私は妻が露出の多い服を着るのでないか密かに心配していたのですが、やはりもう４２才の女性です。日焼けは大敵ですので、下こそ短パンでしたが上はＴシャツの上に夏用の長袖のパーカーを羽織っていました。
私も初めてお会いすることがほとんどでしたので、この機会にと思い主な方にビールを注いで回りました。妻と私が夫婦であることをごく一部の人は知っていましたが、挨拶をしながら私は敢えて夫婦であることを明かしませんでした。理由は自分でもわかりませんでしたが、妻を他の男性がどう見るのか、もしかしたら酒の勢いでセクハラまがいのことをするのでないか見てみたい気もあったと思います。

私の心配とは裏腹にバーベキュー大会は和やかに何事もなく進み、２時間余り経つと家路につく人や別荘に入って休憩する人など、それぞれが思い思いのことをするようになりました。
私はビールをかなり飲んでいたので、木陰で一休みすることにしました。回りはすごく暑かったのですが、木陰はひんやりして涼しい風も吹いており、私は頭からタオルをかぶって横になりウトウトしていました。

しばらく眠ったでしょうか…男の声が聞こえて目が開きました。

「おーい、泳ごうぜ」

私はタオルを取って周りを見ました。声の主はどうやら妻の会社にいるコウスケ君のようでした。

「そうね、泳ごう、泳ごう！」

コウスケ君に続いて、若い男女が海に近づいていくところでした。男女とも妻の会社で働いている子たちで、男の方は名前は知りませんでしたが、女の子は最近新しく入ってきて妻が経理を教えているアヤさんという女の子でした。

アヤさんはさすがに若いのか、Ｔシャッを脱ぎ捨てて惜しげもなくビキニになると、男達の方にかけていきました。
３人は子供のように海水を掛け合いながらはしゃいでいました。
私はビキニに包まれたアヤさんのスラッとしたスリムな肢体を眺めながら、若さを羨ましく思いました。

やがて眠気がまた襲ってきてウトウトしはじめたのですが、コウスケ君の声でまた目が開いてしまったのです。

「尚子さん！一緒に泳ごうよ」

バーベキューの後片付けも終わり、浜辺で座っていた妻にコウスケ君が声を掛けてきたのでした。

「私、今日は水着持ってきてないのよ、ごめんね」

「なんだよ、つまんねーな。じゃあ下着で泳げばいいじゃん」

「バカなこといわないでよ。おまわりさんに捕まっちゃうわ（笑）」

「そりゃそうだな…う～ん、残念！」

私はタオルをかぶったまま二人の会話を聞いていました。妻が水着を持っていないという言葉を聞いてやや安心したようなガッカリしたような気持ちでしたが、その後にアヤさんがとんでもないことを言ったのです。

「あっ、尚子さん。私、水着もう一つ持ってきてるんです。私の着たらどうですか？」