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[17939] 臨界点へ C ゲジゲシ 投稿日:2007/03/07 (水) 22:53
「…パパ……食べよ」 放心状態の私に娘が語りかけた。
あの後、魂を失った抜け殻のような私を娘が家まで連れ帰ったようだ。目の前には娘が作ったパスタが並べられていた。 「あ、ああ…食べようか……」今は娘の気遣いをむげにはできない。ショックを受けているのは娘も一緒なのだ。「はは、…麻実…美味しいよ…上手くなったな……」娘が作ったパスタを食べながら涙が出てきた。それは、娘の成長を喜ぶ涙ではない。それは…それは… 信じられなかった。目の前で抱き合いながら唇を貪り合う女が我妻だとはどう考えても納得できないでいた。本当に妻だったのだろうか……あの時は混乱していて正しい判断が出来ていなかっただけで他人の空似という事は無かっただろうか…(そうだ、そうに違いない、和代に限って…… !!!)そこで私は気が付き愕然とした。今の私はドラマやそういう関連番組に出て来る不倫をされた夫が言っていたセリフそのままだったからだ。今なら分かる気がする。彼等は分かっているんだ…ただそう言う事でバランスを保っていたのだ。慰めだけど…慰めでもいいのだ、悪足掻きでもいいのだ。そうじゃないと、私が私では無くなってしまいそうだったからだ。
「麻実…あのな…さっきの事だけどな…」娘は、゙さっきの事゙と言う言葉に反応し洗い物をする手を止めた。「………」 「パパな…あれは、そのー…他人の空似だと思うんだよ…ほら、だってママ、今日は手芸教室の友達と〇坂に食事しに行くって言っていたしな(メールだけど)あそこに居るはずがないよ……」私は急いで携帯を出し娘に見せようとした。メールの着信がある…一時間近くまえの物だ。「ほら、またメールが来てる…何々……゙盛り上がったので〇坂の近くのカラオケに行きます。前にみんなで(私達家族)いったあのカラオケです。なるべく早く帰るようにします。ゴメンね゙…ほ、ほら、麻実も知ってるだろ、先月一緒に行ったあのカラオケだよ。男と会ってるんだったら場所までは………」 「なら電話かけてみたら!」突然娘が、強い口調で話に割り込んできた。「え、い、いや、それは……パパはママを……」 「信じてるからかけないの?違うでしょ!怖いからかけれないんでしょ!今までならそれで良かったかもしれない、でも今は……ママはパパを裏切っていたんだよ!!」 「ちょっ、お、おい麻実、落ち着きなさい。まだママが裏切ったかどうか分からないだろう。それに、それに……」 「…違うの…」 「へ?」 「…………」 「おい、麻実、何が違うんだ?正直…パパには麻実が言っている事が分からないよ」 「……………」流し台の前で俯いて立っていた娘は、何かを決心したようで 静かに私の前に座った。

[Res: 17939] Re: 臨界点へ C なるほど◆.YLTZM 投稿日:2007/03/08 (木) 11:11
凄いことになりましたねぇ。続きが気になります。

[Res: 17939] Re: 臨界点へ C グッヂ 投稿日:2007/03/08 (木) 22:09
いよいよですね・・・。
楽しみにしています。

[Res: 17939] Re: 臨界点へ C ぎゅう 投稿日:2007/03/09 (金) 00:22
情けないんじゃないですよ。この場は父親としてこれがもっとも
正しい行動です。愛しい愛娘への配慮ですから。。

しかし。。その苦労も一変しましたね。
娘さんの態度、どうやら以前から知っていたのかもしれませんね。
そしてずっと一人で苦しんでいたのかもしれません。
母を心から愛する父、深く信じているために母の度をこした遊びにも
寛容にしてきた大好きな父親。
その最愛の父への母の最低最悪な行動に。
知らなければいい。知ってしまった自分さえ我慢すれば、、と
(本当はこれは間違ってるんですけどね)抱え込んでいたのかも
しれませんね。

もっともこれが全然はずれていることを期待しますよ。
でないとあなたも娘さんも悲しすぎますから。