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過去ログ[23]

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[17929] 臨界点へ B ゲジゲシ 投稿日:2007/03/07 (水) 02:26
大町と別れ、一人駅に向かっている間ふと妻の事を考えていました。もし私が大町の立場になったとしたら…私は耐えられるだろうか。最愛の家族を失えば恐らく私は狂ってしまうだろう。それ程私は家族の事を、妻の事を愛しているのだから……
(しかじ好きな人ができだは正直キツイよな…)大町の奥さんの手紙にあった言葉を思い出し自嘲気味に笑った。
「あっ、いたいた、パパァー」駅の入り口が見え始めた時に人の群の中に愛しい我が娘の姿を見つけた。 「麻実ぃー」娘に手を振ると嬉しそうに小走りをして近づいて来た。「へへ、待った?」 「いや、今来たとこだよ」
おかしなもので恋人と待ち合わせをしていた時のような会話に思わず苦笑いしてしまいました。
「さぁーお姫様。何なりとお好きな物を仰せ下さいませ」私が冗談っぽく言うと、 「フフフ、だからパパ大好きなの」そう言うと麻実は私に右腕に自分の腕を絡ませてきた。まぁ、周りがどう見るかは何となく分かってはいたが娘も4月になれば一人暮らしを始め家を出ていってしまう。こうやって並んで歩く事すらもうないかもしれない…そう思うと娘と歩く事に嬉しさを感じながらも一抹の寂しさも感じるのだった。
「…………」
「んー?どしたのパパ?」私の顔見ながら不思議そうに喋りかける娘。私は慌てて、 「い、いや…それより何食べるか決めたのか」と答える。こんな事で落ち込んでいたら嫁に出す時にショック死してしまう。 「実は、ここに来る途中で決めてたんだ♪何回か行った事あるから案内したげる」 「何回かって、なんだ彼氏とでも来たのか?」 「それはご想像にお任せします♪」 取り留めない話をしながら二人で歩き出しました。


五分ほど歩いたでしょうか、突然娘が「近道しよう」と、公園に並んで入っていきました。公園といっても規模の小さなものでベンチに噴水、小さな広場がある程度の所でした。
「ここを抜けた所に美味しいレストランがあるんだよ」
「へぇー、こんな所にレストランがねぇー」言いたくもなります。そこは何というか場末のラブホテルガ立ち並ぶ言うなればラブホ街だったのです。 「隠れた名店はこういう場所に多いのよ」と、何の根拠があるか分からない事を娘が言います。 「あっ…」 突然娘が驚いた声をあげました。どうしたのかと思い、視線の先を見ると、私達から見て反対の、噴水の向こうにあるベンチでカップルが抱き合ってキスをしていました。(あちゃー、いくらホテルが近いとはいえこんな所で…中に入ってからにしろよな)娘と二人という気まずさあり足早に通り過ぎようと思いました。娘も同じ気持ちなんでしょう、私の意図に気づいてくれました。意識しないように正面を見据え、歩き始めようとした時でした、娘が突然震えだしたのです。
「…う、嘘…」
(へ?)
「どうした麻実?」
娘の顔を見ると、血の気が引いたように真っ青になっていました。視線の先にはあのカップルがいます。私がそこを見ようとすると、「ダメ!パッ、パパ見ちゃダメ!!」声を押し殺し、私の腕を引っ張りながら娘は今来た道を引き返そうとします。(あのカップルを見て麻実はおかしくなった。あのカップルに何かあるのか?)薄暗いその場所を目を凝らして見ました。初めは光の反射でよく見えなかったんですが徐々にその細部までが見え始めてきました。
「…………!!!!!!」
視線の先、貪り合うように唇を重ねている女は、間違いなく私の……妻でした。

[Res: 17929] Re: 臨界点へ B ショー 投稿日:2007/03/07 (水) 08:45
う〜ん
心中察するに余りありますね。
かなりの驚愕だったことと思います。しかしながらものすごくドキドキします。(不謹慎で恐縮)
この後の展開がきになりますね、続きを期待してます。

[Res: 17929] Re: 臨界点へ B ジズ 投稿日:2007/03/07 (水) 11:36
奥さんの浮気現場を目撃するということ自体がショッキングなのに、それを娘さんとまのあたりにするなんて。なんという悲劇。悲しみは分かち合って癒されるものですが、この場合、悲しみと憎しみが混ざりあって増幅しそうですね。どんなに愛して信頼していても時間ときっかけがあれば落ちていく人妻。このまま あなたの家庭は壊れてなくなるのでしょうか。奥さんが浮気に走った経緯と家族各々が選ぶ道がとても気になります。頑張って書いてください。