お前の嫁さん貸してくれないか?
5 Re: お前の嫁さん貸してくれないか?
ゆずる
2024/04/28 (日) 18:46
No.197259
その日は意外と直ぐにきました。翔麻が真紀を想定して事前に父親に話しをしていたらしく、次の週の土曜日に真紀に会ってもらえる事になったと翔麻から連絡がきた。なので打ち合わせの為、前日の金曜日に会えないかというので、またウチで一緒に夕食をとる事にした。
「じゃぁ私と翔麻くんとは付き合って3ヶ月なのね」
出会いからなれそめまで翔麻主導で細かく決めていった。
「そんな細かい事まで決めておく必要あるのか?」
「念には念をだよ、何か聞かれたときのために」
「じゃぁ、二人は何処までいってる設定なの?」
僕は二人の関係が疑似的に何処まで進んでいるのか気になった。
「そうだな、二人とも30過ぎた大人なんだから当然肉体関係はある設定かな」
「えっ、私と翔麻くんがエッチしたことあるってこと?」
真紀の口から翔麻とエッチした事があると聞くと胸がキュンとした。
「そう言う設定の方が自然だって事だよ」
翔麻は僕に気を使ってそう話した。
「なんか、本当に女優さんになるみたくてドキドキしてきた」
「でさー、明日二人でそういう空気感出せる様に、今から30分だけ真紀ちゃんと二人っきりになれないかな?」
「えっ、ここで?」
突然の翔麻の提案に僕は狼狽してしまった。
「部屋で二人っきりっていうのはさすがにゆずるに悪いから、真紀ちゃんと今から30分だけそこら辺散歩させてくれないかな?」
「さ、さんぽ…」
「そう、散歩、あくまで役作りのために」
「や、やくづくり…」
真紀は翔麻の言葉を繰り返して状況を整理しているようだった。
「俺はいいよ、真紀がいいなら」
「えーっ、翔麻くんと初デートってことだよね?」
僕がすぐに了承したことで、真紀も少し慌てていた。
「そっ、付き合い始めて3ヶ月のラブラブ感出せるようにお散歩デートしてくれない?ゆずるもいいよって言ってくれてるし」
「おさんぽデートかー、なんか照れるなぁ…」

まだ21時を過ぎたばかりだが、住宅街のこのあたりは人通りも少ない。結局そんな夜の街に僕は二人を送り出した。そして、部屋の電気を暗くしてカーテンの隙間から歩いていく二人を見つめていた。二人が視界から消える瞬間に手を繋ぐのがわかった。