お前の嫁さん貸してくれないか?
2 Re: お前の嫁さん貸してくれないか?
ゆずる
2024/04/27 (土) 21:45
No.197246
「えっ、私が翔麻くんの彼女役でお父さんと会うの?」
「なんだよ、それー」
「二人が驚くのはよく分かる。でもこんなお願い、もうゆずる達にしか出来ないんだよ。頼む、このとーり」
翔麻は必死に自分達を説得するため話しをしてきた。過去2回知り合いの女性を父親に合わせたが上手く行かなかったとのこと、次合わせる女性が、目にかなわなかったら見合いさせる事とか。
「とにかく1回だけでいいんだ。真紀ちゃんなら親父も絶対安心してくれるし、そうなれば見合いだの煩わしい事言われなくなるから」
「でも、もし翔麻のお父さんが真紀のこと気に入ったら、それこそ早く結婚しろってうるさく言われるんじゃないのか?」
「大丈夫だよ、そうなったらのらりくらり適当に引き伸ばして誤魔化すだけだから」
その場しのぎの策にしか思えない自分は、それで本当にいいのかな?って言う想いはあったが、普段は余裕のある佇まいの翔麻が意外と焦ってる姿をみて協力してやりたいと言う気持ちもあった。それより、真紀が翔麻の恋人役をすると言うことが、何となくムズムズする気持ちになった。
「私、いいよ、そのくらいなら、だってなんか女優さんみたくて面白いじゃん。で、何処で、どのくらいお父さんと会えばいいの?」
「ありがとー、真紀ちゃん。うちの近くのガストでお昼に1時間くらい食事しながら話しをすればいいだけだから。前もそうだったし、ゆずるもいいだろ?」
家に招待するのが普通じゃないのかな、と思ったが、翔麻のお父さんは認めた人間しか家に呼ばないらしい。ちなみに自分は高校時代に何度か翔麻の家に行ったことがある。そこそこの豪邸だった記憶がある。
真紀も協力すると言っているし、ここで自分だけ反対したら嫉妬男みたくカッコ悪く見えるので、翔麻の話しを了承することにした。