お前の嫁さん貸してくれないか?
12 Re: お前の嫁さん貸してくれないか?
ゆずる
2024/04/30 (火) 19:30
No.197298
ドキドキや興奮してもらえて嬉しく思います。

次の日少し遅い朝食を二人で食べている時に真紀の携帯のラインに連絡がきた。
「ねえゆずくん、翔麻くんから今日のランチ中止だって」
「えっ、なんで?」
「なんか、翔麻くんのお父さん仕事になっちゃったみたい、社長さんだから忙しいのかな」
僕は中止の連絡がきて、こんなにも拍子抜けしている自分に当惑していた。それでもそんなそぶりは真紀には見せないようにしていた。そんな夕方に翔麻から僕と真紀に連絡が来た。父親の仕事が早く終わり、せっかくだから今日真紀と会いたいと言ってきていると。時間は19時、場所は〇〇駅の△△ホテルのレストラン。〇〇駅はうちから電車に乗って1時間ちょっとの都心。
「どうしよう、ゆずくん」
「ファミレスじゃなくなり、高級レストランになって良かったじゃないか」
「あーっ、もーこんな時間だ、早く支度しなくちゃ」
真紀はそう言うとすぐにシャワーを浴びて身支度を整えだした。
「じゃあ真紀、翔麻の恋人役、しっかり演じてくるんだぞ」
「わかってるわ、任せて」
「それと、何があっても、帰ってきたら必ず俺に話して欲しい」
「何がって?」
「いやっ、何でもだよ」
「ただお父さんと会うだけだから、何も無いわよ」
17時半にそう言い残した真紀を僕は見送った。
22時過ぎに翔麻から電話が入った。
「さっき終わったよ、予想通り親父も真紀ちゃんのことすごく気に入ってくれたよ。ありがとう、ゆずる」
「そっか、じゃぁもう帰るんだな」
「それがさ、親父のやつ、今日急に予定を遅らせて、都心まで来させたのが申し訳ないって言ってここのホテルのツインとったから二人で泊まってけって…」
「えっ…」
「とにかく、今真紀ちゃんと変わるから」
「もしもし、ゆずくん?…違うよ、泊まるわけじゃないから、すぐにホテルから出てお父さんにばったり会っても何だから、ここに1時間くらい居て終電前には帰るから」
そう言って電話は切れた。
結局真紀が帰って来たのは次の日の日曜日だった。